三島市議会 > 2003-09-25 >
09月25日-05号

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  1. 三島市議会 2003-09-25
    09月25日-05号


    取得元: 三島市議会公式サイト
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    平成15年  9月 定例会平成15年9月25日    -----------------------------------議事日程 第5号   平成15年9月25日(木曜日)午後1時開議第1 会議録署名議員の指名第2 一般質問    -----------------------------------本日の会議に付した事件日程第1 会議録署名議員の指名……………………………………………………………4日程第2 一般質問             12番   八木三雄君………………………………………4             25番   栗原一郎君………………………………………15             14番   下山一美君………………………………………25             19番   鈴木勝彦君………………………………………38    -----------------------------------出席議員              1番    松田吉嗣君              2番    瀬川元治君              3番    碓井宏政君              4番    川原章寛君              5番    弓場重明君              6番    石渡光一君              7番    佐藤 晴君              8番    足立 馨君              9番    宮沢正美君              10番    土屋俊博君              11番    細井 要君              12番    八木三雄君              13番    馬場妙子君              14番    下山一美君              15番    金子正毅君              16番    石田美代子君              17番    鈴木正男君              18番    森  一君              19番    鈴木勝彦君              20番    志村 肇君              21番    露木友和君              22番    秋津光生君              23番    国府方政幸君              24番    志賀健治君              25番    栗原一郎君              26番    仁杉秀夫君    -----------------------------------説明のため出席した者         市長         小池政臣君         助役         内村良二君         収入役        小野正浩君         教育長        長谷川文克君         環境市民部長     三輪芳秋君         民生部長                    木内雅一君         兼福祉事務所長         経済部長       菊地静雄君         財政部長       稲葉菊俊君         総務部長                    落合光一君         併選管事務局長         まちづくり部長    水口 始君         建設部長       加藤 修君         水道部長       内田隆造君         消防長        下山 守君         教育部長       濱野晃司君         財政部参事                    五明 潔君         財政課長取扱         総務部参事                    山田敏文君         総務課長取扱         総務部参事                    関野 康君         秘書課長取扱         まちづくり部防災監  芹澤正和君         まちづくり部技監   五味宏教君         建設部参事      大石一太郎君         消防次長       芹澤幸一君    環境市民部 国保年金課長    伊東貴義君    総務部   情報システム課長  大村 昇君    建設部   都市整備課長    井原邦衛君    教育部   文化振興課長    平澤竹志君          幼児教育     〃              矢中道春君          推進室長    -----------------------------------事務局職員出席者         議会事務局長     野田 弘君         書記         高村敏明君    -----------------------------------              午後1時 開議 ○議長(志賀健治君) 出席議員が定足数に達しましたので、これより三島市議会9月定例会5日目の会議を開きます。 なお、時節柄上着の着用は御自由にしていただきたいと思います。 本日の議事日程は文書をもって御通知申し上げたとおりでございます。 これより日程に入ります。    ----------------------------------- △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(志賀健治君) 日程第1 会議録署名議員の指名を行います。  会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により議長において、13番 馬場妙子さん、26番 仁杉秀夫君の両君を指名いたします。    ----------------------------------- △日程第2 一般質問 ○議長(志賀健治君) 次に、日程第2 一般質問を行います。 これより抽せん順位に従いまして、12番 八木三雄君の発言を許します。     〔12番 八木三雄君登壇〕 ◆12番(八木三雄君) 通告に従いまして、一般質問をいたします。 最初に、歴史的文化遺産の継承と活用について4点質問します。 1点目は、文化財の保護・保存、活用についての三島市の基本的考えについてであります。 静岡県東部、伊豆半島の玄関口に当たる三島市は、箱根山の西ろくに位置しており、北に富士山、愛鷹山が望まれ、眼前には広大な三島・沼津平野が広がり、さらに駿河湾が望見される自然豊かで風光明媚なまちであります。 そして、歴史と文化のまちと標榜される三島市には、後世に残したいさまざまな自然や文化遺産が数多くあるのであります。既に消滅した遺跡などもありますが、箱根西ろくに広がる2万7,000 年前の旧石器時代の落とし穴や1万 4,000年前の石器類、縄文時代の集落の跡、大場川などの河川流域に広がる弥生時代の集落や水田跡等々、さらに丘陵地に点在する古墳群などの埋蔵文化財を初め、保存会が伝承する三島囃子など無形文化財、神社仏閣・旧家に伝わる書画や古文書類、自然の恵みである巨木などの天然記念物であります。 そして、これらの数多くの文化財の保護・保存を図り、後世に伝えていくことが現代に生きる私たちの責務であると考えます。大変貴重な文化財の保護・保存、そして活用について、三島市の基本的考えを伺います。 2点目は、先般、現地説明会が開催された田頭山遺跡の今後と出土品についてであります。 田頭山遺跡田頭山丘陵の南斜面に立地し、丘陵の北側には初期群集墳である向山古墳群夏梅木古墳群、丘陵の南側には赤王清水洞横穴墓群など、古墳時代のいろいろなお墓が多数築造されているところにあります。この田頭山遺跡は、東駿河湾環状道路建設に伴って平成14年度から15年度にかけて発掘調査され、古墳時代後期横穴式石室墳と奈良時代の火葬墓が隣接しております。このことは、 646年に出された大化の薄葬令や、 680年に駿河の国から伊豆の国へ分かれて国分寺が設けられ律令制に移ったことと、地方の墳墓の変化との関係など研究課題が多い中にあって、大変貴重な資料であるとのことであります。県内で古墳時代の墓域内で奈良時代の墓が見つかる例も少ない。そして、葬制の変遷を考える上で大変貴重な資料である田頭山遺跡の今後と出土品についてどのように考えているか伺います。 3点目は、箱根旧街道の保護・保存に向けた方策についてであります。 21世紀は、17世紀初頭に宿駅制度が始まったときから数えて 400年目を迎えたことを記念した東海道四百年祭で始まったことは、記憶にあることと思います。 さて歴史をひもとくと、箱根旧街道は、1604年に江戸幕府が整備した五街道の1つである東海道の一部で、一般に箱根八里と呼ばれ、箱根峠を境に小田原に下りる4里8町の道を東坂、我が三島に下る3里28町の道が西坂と呼ばれております。そして箱根越えは、「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」とうたわれたように、大井川と並ぶ東海道の二大難所でありました。それは箱根路は急な坂が多く、雨や雪、霜などによるぬかるみ道で、往来する旅人は困難をきわめたためであったと言われております。 そこで1680年、幕府は約 1,400両を投じて石畳に改修し、さらに1861年には、婚姻により江戸に向かう皇女和宮のために、石畳の大規模な補修整備が行われたとあります。そして、このときの石畳の街道が現在でも随所に残されております。三島市では平成6年から9年にかけて、5カ所の発掘調査と整備事業を行って復元してきたところであります。江戸時代を語る上で大変貴重な箱根旧街道の保護・保存に向けて、どのように取り組んできたのか伺います。 4点目は、箱根旧街道の国史跡指定によるメリット及び活用等であります。 近年、箱根旧街道は健康増進などで歩く人が増えておりますし、箱根高原野菜直売所などの設置や、ツアー業者などとのタイアップによるイベント企画など、西坂活性化のために頑張っておられます方々もおりますが、まだまだ箱根東坂に比べて知名度が低い箱根西坂ではないかと思っております。 山中城観光案内所月別入れ込み客数の統計によれば、平成12年度は1万 3,212名、東海道四百年祭のあった平成13年度は1万 4,908名、平成14年度は1万 3,758名となっております。また月別では、この3カ年とも10月が最も多く、次いで5月でありました。この数字をどう見るかは別として、箱根旧街道に国指定の冠がつくことでさらに知名度が上がり、訪れてみたい場所、歩いてみたい場所となると考えますが、箱根旧街道の国史跡指定によるメリットと活用等について当局の考えを伺います。 次の質問に移ります。新たな時代に向けた幼児教育について2点質問いたします。 1点目は、三島市幼児教育振興プログラムの進捗等についてであります。 幼児期は大人への依存と信頼を基盤として、情緒を安定させて自立に向かう時期であり、その過程で幼児は、生活や遊びの中で具体的な体験を通して、社会で生きるための最も基本となることを獲得し、生涯にわたる人間形成の基礎が培われる極めて重要な時期であると言われております。 近年、子供をめぐる社会生活は高度成長期以降大きく変化してきており、核家族化、都市化の進展、婦人の就労、少子化などに伴って、地域に自由に遊べる空間や仲間が見つけにくくなるとともに、家庭教育力の低下などによって基本的な生活習慣が形成されにくくなり、育ちの問題となってきております。 こうした中で、幼稚園・保育園において、幼児期の発達にふさわしい形で計画的に構成された環境のもとでの集団生活を経験することは、幼児の発達にとって従来以上の大きな意義を持っております。国は、具体的に幼児教育の振興を図るため、平成13年3月に実施計画として幼児教育振興プログラムを策定しており、県ではこれを受ける形で、平成15年1月に静岡県幼児教育振興プログラムを策定しております。三島市においても幼児教育推進室を立ち上げ、幼児教育の振興を図っておりますが、幼児教育の条件整備に関する総合的な実施計画としての幼児教育振興プログラムの進捗について伺います。 2点目は、幼保一元化に向けた研究状況についてであります。この件については今までにも多くの議員が質問しております。私も3回目となりますが、時代の要求であり、改めて伺いたいと思います。 御承知のとおり、幼稚園と保育所は、それぞれの制度の中で整備充実に努めておりましたが、文部科学省では厚生労働省との協議の場を通じて、施設の共用化、教育内容・保育内容の整合性確保、合同研修の実施、子育ての支援に係る事業の連携実施など、両施設の連携強化に努めております。そして、幼稚園と保育所の共用施設に係る運営等の実践研究等の連携を引き続き図るとあります。さらに2003骨太方針の中で、新しい児童育成のための体制整備として、地域の実情に応じ、就学前の教育・保育を一体としてとらえた総合施設の設置を可能としております。少子化の進行、保護者のニーズの変化などへの対応、また施設の老朽化が進んでいる中、幼保一元化に向けた取り組みが一層求められていると考えますが、幼保一元化に向けた研究について伺います。 次の質問に移ります。時代に即応した情報バリアフリー環境実現に向けて2点質問します。 1点目は、情報バリアフリーについて、三島市の考えと取り組み状況等についてであります。情報通信技術の進展は、革命と言っても過言ではないほど社会に大きな変革をもたらし、我が国の経済的繁栄、豊かな生活の実現をもたらすものと期待されております。しかし、現在、年齢的・身体的条件によるIT利用の格差が生じており、IT革命の恩恵をすべての人が享受できる情報バリアフリー環境実現のためには、高齢者・障害者の情報通信利用の促進が重要な課題となっております。総務省では、高齢者・障害者を含め、だれもがITを利用できるよう情報バリアフリー関連施策を積極的に進めております。 国は平成13年1月、高度情報通信ネットワーク社会形成基本法通称IT基本法を施行し、その第8条に、「高度情報通信ネットワーク社会の形成に当たっては、地理的な制約、年齢、身体的な条件その他の要因に基づく情報通信技術の利用の機会又は活用のための能力における格差が、高度情報通信ネットワーク社会の円滑かつ一体的な形成を著しく阻害するおそれがあることにかんがみ、その是正が積極的に図られなければならない。」とあります。 また静岡県では、感性豊かな人々がさまざまな分野で活躍し、住む人も訪れる人も快適と感じる快適空間静岡を築くために、ユニバーサルデザインを県政推進の基本的考えと位置づけ、さまざまな分野でその実行を図り、だれにとっても障害のない社会を目指していくユニバーサルデザインの考えで進めていくとしております。 以上を踏まえる中で、有力な高度情報発信の1つでありますホームページを見てみますと、県では、ユニバーサルデザインに配慮したホームページの作成のためのガイドラインがありますし、チェックシートも作成されております。平成14年9月には、色のバリアフリーについて国府方議員から関連の質問がありましたが、視覚を通しての情報伝達を主とするホームページユニバーサルデザイン化させるに当たり、一番問題となるのが視覚に障害がある人への配慮ではないかと考えます。そこで、情報バリアフリーについて三島市の考えと取り組みについて伺います。 2点目は、三島市公式ホームページアクセシビリティーについてであります。 ウェブ・アクセシビリティーという言葉は余り聞きなれない言葉だと思いますが、これは、高齢者や障害者など心身の機能に制約がある人でもウェブで提供されている情報に問題なくアクセスし、利用できことを意味しております。IT時代と言われております今日、高齢者や障害者にとってもウェブは重要な情報源となりつつあります。 しかし、実際に提供されているウェブページは、高齢者や障害者にとって非常に使いにくくなっていることが少なくないと言われております。例えば非常に小さい文字でたくさんの情報を提供していることや、目的の情報に容易にたどり着かないことなどは、アクセシビリティーが確保されていないことになります。ホームページ作成に当たっては、職員の皆様が大変な努力をなさっていることは私も理解しております。利用者から三島市の公式ホームページを見たとき、どうでしょうか。 総務省による調査によると、地方公共団体団体からの有効回答 1,932件のうち、アクセシビリティーに配慮している地方公共団体は約2割であったとあります。三島市のホームページはどうでしょうか。三島市の公式ホームページアクセシビリティーについて、当局はどのようにとらえ、考えているのか伺います。 以上で壇上からの質問を終わります。 ◎教育部長(濱野晃司君) 八木三雄議員の御質問にお答えいたします。 まず第1番目に、歴史的文化遺産の継承と活用の御質問がございましたが、このうち文化財保護・保存、活用についての三島市の基本的な考え方について御答弁申し上げます。 文化財や伝統芸能・伝統行事などは、我が国の歴史・伝統・文化を理解する上で欠くことのできないものであり、文化の向上や発展のためには適切な保存管理が必要であると考えております。三島市では文化財を大切にして、保護・保存、活用、継承を図り、歴史教育の場や歴史を生かしたまちづくりの中核となるよう、環境の整備・充実に努めていく考えでおります。 また、特に古代遺跡の保護・保存に限って申し上げますと、現在、開発に伴い消えてしまう貴重な財産を調査し、記録・保存しておりますが、郷土の歴史を正しく伝えるためには、その遺跡の時代的背景や地域の属性などのほか、人的要素、また遺構の規模・様式などを考えあわせますと、現地での保存が最良の方策であると考えております。 次に、田頭山遺跡の今後と出土品等についてどのように考えているかとの御質問でございますが、田頭山遺跡は、三島市大場字田頭山で発見されました古墳時代の遺跡でございます。国土交通省中部建設局が計画いたしました東駿河湾環状道路建設に伴いまして、静岡県の埋蔵文化財調査研究所が、平成14年9月から11月までと本年の6月から9月までの2期にわたりまして、約1,300 平方メートル余りの発掘調査を実施いたしました。この結果、今から約 1,400年前の古墳時代の古墳3基と約 1,300年前の奈良時代の墓2基が発見されました。これらの墓は伊豆地方では大変貴重な発見でございましたので、本年8月30日現地説明会を開催されましたところ、約250 人もの参加者があり、大変盛況であったと聞いております。 議員御質問のこの遺跡の今後と出土品についてでございますが、既に現地調査は終了し、古墳は解体され、工事を待つばかりの状態となっております。遺体が入っておりました古墳時代の石棺は、出土しました遺物とともに静岡県の埋蔵文化財調査研究所の本部に移送され、調査報告書作成のための整理作業がされております。文化財保護法上、これらの出土品は静岡県に帰属することとなりますが、譲与あるいは借用などの手段もございますので、今後、田頭山古墳群を初め向山古墳群夏梅木古墳群を含めまして、三島市の古墳文化をテーマとした展示会を開催し、出土品の公開を検討することも考えております。 次に、箱根旧街道の保護・保存に向けた方策等についての御質問でございますが、箱根旧街道は毎年、地元の山中新田、笹原新田、市山新田の皆様方の御協力をいただきまして、下草刈りを実施しております。また松並木につきましても、下草刈りを初め薬剤の散布、注入等の松枯れ防止策等を実施しております。 箱根旧街道の維持管理につきましては、毎年地元の皆様の御協力をいただきまして、保護・保存に努めてきたところでありますが、近年にはハイカーの姿も見られるようになりました。しかしながら、議員もおっしゃいましたように、箱根の東坂に比べまして西坂の箱根旧街道の知名度が低いため、その数は東坂の1割にも満たないと言われております。この大きな原因は、東坂を管理いたします箱根町のほとんどの旧街道は国史跡の指定を受け、整備も進んでおりますが、それに反しまして西坂の三島市、函南町分は国の指定を受けておらず、整備状況、知名度とも低い状況にあると考えております。 箱根旧街道は三島市が全国に誇り得る文化遺産でございますし、国の指定史跡となることによりまして、三島市から全国に向けて江戸時代の街道文化、宿場文化を発信できると考えております。そのため現在、箱根旧街道の保護・保存と同時に、その活用のため国の史跡指定に向けて取り組みをしております。 箱根旧街道国史跡指定についての過去の状況でございますが、昭和42年の指定の申請に始まりまして、44年11月、国の文化財保護審議会が指定の答申を出して内定となりましたが、同意書等の書類の不備、また函南町、箱根町との足並みがそろわなかったことなどの理由によりまして、法手続であります告示にまで至らず、今日まで未告示物件のままとなっておりました。 平成14年、全国歴史の道会議静岡大会が静岡市を会場にして開催されましたが、その現地視察会におきまして、金谷峠と箱根峠の視察が行われました。文化庁の調査官を初め全国の自治体職員の踏査の中で、箱根旧街道が再認識され、国の史跡指定に向けて再始動することとなりました。幸い文化庁を初め静岡県、神奈川県、函南町、箱根町の御理解と御協力か得られましたので、箱根八里全線指定の見通しが立ってまいりました。 箱根旧街道の保護・保存の方策につきましては、国の史跡指定を踏まえ、一層努力してまいりたいと考えております。 次に、箱根旧街道の国史跡指定によるメリット及び活用等についての御質問でございましたが、メリットといたしましては、国の史跡に指定されますことによって知名度が上がり、ハイカーや観光客の増大による経済的効果を期待できます。また、保護・保存に関しまして国から助言や指導を受けることができます。さらに、整備等の際に国から補助を受けることができるなどが挙げられます。 活用等についてでございますが、箱根旧街道は、三島市が全国に誇り得る文化遺産でございますので、歴史教育や環境的側面あるいはハイキング等健康増進面での活用も考えられ、今後は、より一層広い活用策も検討してまいりたいと思います。 次に2番目の御質問で、新たな時代に向けた幼児教育についてのうち、三島市の幼児教育振興プログラムの進捗等についての御質問でございましたが、三島市の幼児教育につきまして今後どのように推進していくか、これを検討するために、平成14年度に教育部に幼児教育推進室が設置されました。また市民の代表、関係団体の方々で構成されます三島市幼児教育推進懇話会が設置され、この懇話会では平成14年度に、先進地における幼稚園と小学校の一体化の例や幼稚園と保育園の合築の例などを視察し、また市内の公立幼稚園私立幼稚園、保育園などの現場を見学した上で、現状での課題を検討されました。 平成15年度、本年度は国・県から出されております幼児教育推進上のテーマを23項目挙げ、4月から毎月会議を開催して、各項目の検討をされております。また、会議の中で委員から提案のありました幼児教育に関するアンケート調査を5月に実施し、現在、結果の集計及び分析作業を進めているところでございます。懇話会といたしましては、現在検討中の項目を整理し、平成15年度末までに今後の三島市の幼児教育についての提言をされる予定であります。 議員御質問の三島市幼児教育振興プログラムでございますが、平成13年3月に国の幼児教育振興プログラムが策定され、平成15年1月には県の幼児教育振興プログラムが策定されましたので、これらを踏まえまして、懇話会の御提言またアンケート調査の結果などを参考にし、また三島市におけるこれまでの幼児教育の歴史的経過や特徴なども考慮した上で、仮称でございますが、三島市幼児教育振興プログラムを平成16年度以降作成してまいりたいと考えております。 次に、幼保の一元化に向けた研究状況についてでございますが、市内の5歳児の幼稚園、保育園の就園状況を見ますと、幼稚園が約70%、保育園が約27%、合計いたしますと約97%となります。したがいまして、小学校就学前の幼児のほとんどが幼稚園または保育園のいずれかに通っていることになります。 従来より、幼稚園は文部科学省所管の学校教育施設、保育園は厚生労働省所管の児童福祉施設として位置づけられておりますが、少子化の進行、また保護者のニーズの変化、働く女性の増加や勤務形態の多様化等によりまして、今までの幼稚園や保育園の制度では対応し切れない現状が出てまいりました。そこで、幼稚園と保育園を合築させて効果的な運営をしている自治体も出始めております。しかし、法律の範囲内での運営のため問題点も多く、保育士や教員の資格、また入園条件、保育時間、保育料などの問題が解決されなければ、完全な幼保一元化は実現できないと思います。 このような中で、幼保合築をした過疎化傾向にあります自治体などでは、幼稚園児と保育園児の数が合計で1クラス未満の場合、1人の教員または保育士で混合保育ができるように構造改革特区の申請をしたところ、それが認定された例もございます。また、都市部における幼保合築の園では、ゼロ歳児から2歳児を保育園で保育し、3歳児から5歳児を幼稚園で保育するというところも出ております。これは、保護者の勤務形態が長時間化あるいは変則勤務化していることから、幼稚園の保育時間は4時間、保育園での保育時間は8時間が基本であるという考え方だけでは保護者のニーズに対応できないため、子育て中の親への支援として、幼稚園での預かり保育や保育園での延長保育なども実施する必要性が高まってきたことによるものであります。 そこで国は、本年6月に出しました国庫補助負担金等整理合理化方針の中で、平成18年度までに文部科学省と厚生労働省が協力し、幼稚園のよいところ、また保育園のよいところをあわせ持った新しい幼児教育施設を自治体等が設置できるような法律の整備を検討する方向を打ち出しております。 三島市といたしましても、少子化や核家族化が進行し、家庭や地域の教育力が低下していると言われている社会の中で、幼保一元化に向けた幼保合築施設の研究も必要であると考えております。幼児の立場に立ったり、また若い保護者の皆様の考え方をよく聞きまして、これからの幼児教育のあり方を研究し、国の動向や法律の整備状況を見る中で、できるところから検討してまいりたいと考えております。以上です。 ◎総務部長(落合光一君) 次に、3点目の御質問でありました時代に即応した情報バリアフリー環境実現について、これに関連いたしまして、まず情報バリアフリーについての三島市の考え方と取り組みについてという御質問でございますが、情報バリアフリーとは、例えば目の不自由な方が市のホームページを開いたときに、ホームページの内容をパソコンが音声で読み上げるとか、高齢者や身体的にハイディキャップのある人が容易に利用できるように自宅のパソコンに点字キーボードなどの補助機器を付加するなど、情報通信におきまして一般の人と同様に利活用できるようにすることであります。 まず、三島市の考え方についてでございますが、平成14年9月に策定いたしました三島市情報化基本計画の中で、ホームページの作成について、文字の大きさ、色、文字を主体とした画面づくり、外国語版の作成など高齢者や視聴覚障害者、外国人に配慮したホームページ作成のガイドラインを作成いたしまして、ユニバーサルアクセスに配慮したホームページを発信することとしております。 具体的な取り組みの状況ですが、現段階では、三島市のホームページはまだ情報バリアフリーを意識した掲載はしておりませんが、昨年2月に国立遺伝学研究所の岡部さん--昨年9月議会で国府方議員の方から紹介された方でございますが、この方から、色覚障害者にとって三島市のホームページの一部に見にくい箇所があるという御指摘をいただきまして、色覚障害者へ配慮した色使いへ対応したのみに現在とどまっておりますが、今後は、総務省のみんなが使えるホームページのつくり方、ウェブ・アクセシビリティー12のポイントや、静岡県のユニバーサルデザインに配慮したホームページ作成のガイドラインなどを参考に、だれにとっても見やすいホームページ、視覚障害者への対応、さまざまなインターネット環境への配慮などを盛り込んだ三島市ホームページによる情報発信マニュアルを作成いたしまして、この情報バリアフリーに取り組んでまいります。 次に、三島市公式ホームページアクセシビリティー等についてでありますが、アクセシビリティーとは、どんな人にとっても見やすく、目的の情報に容易にたどり着けるようになっているかということでありますが、三島市のホームページは、議員御指摘のように、目的の情報を探すのに今少し難があるかもしれません。 現在のホームページは平成9年度より作成いたしましたが、市民に役立つ情報発信をしたいということで、平成13年1月にホームページ研究会を庁内に立ち上げまして、フレッシュな情報をより多く掲載するとか、各課から直接ホームページへ入力できるシステムを作成するなど、平成13年11月に大きくリニューアルし、およそ2年経過しております。その間に、ホームページから図書館の蔵書検索やテニスコートなどの施設の空き状況の検索など、サービスの充実も図っておりまして、最近では月に約2万 5,000件のアクセスをしていただいております。 2年前の市のホームページの状況は、古い情報がそのまま残されて掲載している、あるいは市民が必要とする情報が掲載されていない、つまり情報量がやや少ないという状況でございまして、この2年間は、ホームページが市民への情報提供の大きな手段であるとの考えを全職員に認知させまして、より多くの情報を掲載することを主眼に進めてまいりました。 したがいまして、多くの情報が掲載されている反面、議員御指摘のアクセシビリティーへの意識が若干乏しいものとなっているかもしれません。今後は、掲載されている情報を課ごとや事業ごとにまとめたページにするなどの改良をしまして、平成14年9月に設置いたました三島市IT推進本部の中にホームページ運営部会を設置するなど、議員御指摘の目的の情報に容易にたどり着けるような、こんな点に配慮したアクセシビリティーを意識したホームページを実現したいと考えております。 また、ホームページにつきましては新しい情報提供手段で、まだ発展途上であると考えておりますので、今後も、いろいろな御意見や御指摘をいただく中でさらに改良整備を進め、市民に役立つ情報を提供するホームページを作成してまいりたいと考えております。以上です。 ◆12番(八木三雄君) それでは、順を追って再質問してまいります。 まず、歴史的文化遺産の継承と活用についてのところから入っていきたいと思います。 箱根石畳ですけれども、国の指定というものは、とっくに受けている、もう取得しておると思っておりましたところ、この9月議会の補正の中に、指定に向けてという形で載ってまいったところでありますが、この国指定によるメリットは非常に大きいというふうに判断しているわけでございます。 今議会の初日に、こんなパンフレットが回ってきましたので皆さんも見ていると思うんですけれども、「石に刻まれた東海道の記憶」という形で、青年会議所が企画協力して9月14日に放映されたものでございますが、私は14年6月の議会の中で、フィルムコミッションの質問をしました。この中で、映像による情報発信は非常に効果があるんではないかというような提言をしてまいったわけでございますが、この間もこのテレビを見ながら、確かにこういった面で情報発信というのは本当に必要だな、映像による効果があるなと、そんな思いで見させてもらいました。 また、35チャンネルにおきましても箱根の旧街道を昔、放映していたと記憶にあるわけでございますが、この大変貴重な江戸時代を語る石畳の保護・保存を図ることとともに、活性化へ向けた全国への情報発信、そして東坂に負けない西坂のポテンシャルに期待していきたいと思っております。そのためにも国指定が非常に重要なことではないかと思っております。ぜひこの国指定に向けて御努力をお願いしたいと思っております。小さな予算の中で大きな効果を期待する。本当に申しわけないわけでございますが、ぜひ頑張っていただきたいと思っております。 次に、田頭山遺跡、また文化財保護・保存に向けての基本的な考えを伺いました。こういったことにも理解をしております。田頭山遺跡は本当に非常に重要なものでございますが、今話があったとおり、県の方の所管というような形もございますし、東駿河湾環状道路の工事もとめるわけにはいかないということがあって、現状の保存というのは難しいわけでございますが、ぜひ三島市民にそういった遺物が公開できるように、さらに御努力をお願いしておきたいと思います。 そういったことを踏まえる中で、私は、三島市の埋蔵文化財資料館の設置について前から考えておりました。これについてちょっと伺ってみたいと思います。 現在の人々が文化財への理解と愛情を深め、関心を持つようにするためには、保存とのバランスを配慮しながら、文化財の性質に応じた多様な公開・活用を進めることが必要ではないかと思います。向山古墳群夏梅木古墳群など多くの遺跡から出土しました大変貴重な埋蔵文化財が多い三島市であります。市民にとって大変貴重な、三島市の歴史を語る埋蔵文化財に触れる機会、見る機会というものは本当に少ないんではないかと思います。私は従前から、子供たちが歴史に触れ、学ぶことは大いに必要であり、(仮称)向山古墳公園などの史跡公園や埋蔵文化財資料館が必要であると考えておりました。 大変厳しい財政状況下にあることは十分承知しておりますが、ただいま壇上でも述べました幼保一元化を行うことによりまして、あいた幼稚園などの施設を利用しまして、三島市埋蔵文化財資料館などの設置を提案しますが、当局の考えはいかがか伺います。 ◎教育部長(濱野晃司君) 三島市の埋蔵文化財の資料館の設置についての御質問でございますが、市民の皆様が気軽に文化財に触れる機会をつくることは、文化財保護の上からも大変重要であると考えております。しかしながら、議員のおっしゃるように、この厳しい財政状況の中で埋蔵文化財を展示する資料館を新たに建設・設置することは難しいと思います。将来、学校施設等があいた場合には、議員御提案の埋蔵文化財の展示のスペースが確保できるか、また市街地の空き店舗等を活用して埋蔵文化財展示のための施設にすることができるか、検討してまいりたいと考えております。 また、現在できる最大限の方法としましては、郷土資料館の常設展示の中で埋蔵文化財にかかわる展示を充実させるとともに、本年度開催いたしました郷土資料館の企画展、人面墨書土器展のような形で、市民の皆様に三島市の埋蔵文化財を広く公開していくように努めてまいります。以上です。 ◆12番(八木三雄君) 何かと気ぜわしい現在でございますが、こういった貴重な文化遺産に触れる、そして古代のロマンに思いをはせる、そんな安らぐ場所が必要ではないかと思っております。お金をかけず今ある施設の利活用を図って、資料センター、そして学芸員等の研究所をあわせ持った、そんな資料館をぜひ今後検討していっていただきたいと要望しておきたいと思います。 次に、新たな時代に向けた幼児教育の方に移ってまいりますが、今話を聞いても、今はまだ道半ばかなという思いをしておりますが、この幼児教育は本当に重要だと思っております。そして一元化は時代の流れ、今後、幼保一元化また施設の共有化などの声が一層大きくなっていくのではないかと思います。 そこで次に、錦田小学校の跡地利用による施設共有化等の考えについて伺います。 壇上でも申しましたが、国は新しい児童育成のための整備として、就学前の教育・保育を一体としてとらえ、一貫した総合施設の設置を可能として平成18年度までに検討するとともに、関連する負担金の一般財源化など国と地方の負担のあり方について並行して検討を進め、必要な措置を講ずるとあります。 国の施策を勘案する中、三島市を見ますと、錦田地区には錦田幼稚園、みかど幼稚園、谷田保育園、さらには錦田小学校跡地が近接してあります。また、それぞれの建築年数や園児数を見ますと、錦田幼稚園は昭和39年建設、築39年、園児数は計66人、みかど幼稚園は昭和48年建設、築30年、園児数は 137人、谷田保育園は昭和43年建築、築35年、園児数は計87人であります。園児数は少し多くなりますが、築年数や立地条件などを考えると、国府方議員も提言しておりました、現在、解体工事を行っている錦田小学校跡地は、幼保一元化もしくは施設の共有化による新しい幼児教育推進のモデル園として最適な場所ではないのではありませんか。 当局は、錦田小学校跡地利用検討特別部会を設置し、跡地の利用について検討を行ったとありますが、私は国の施策も勘案する中、錦田小学校跡地に幼保一元化施設など新しい幼児教育推進のモデル園の設置を提言しますが、当局の考えを伺います。 ◎市長(小池政臣君) 八木三雄議員の質問にお答えいたします。 錦田小学校跡地利用による施設共有化等の考え方についてでございますけれども、八木議員もおっしゃっておりますように、昨年の4月に、庁内に錦田小学校跡地利用検討特別部会を設置しておりまして、錦田小学校の跡地利用について検討を行った結果、全国的な幼保一元化の流れもあることや、将来の錦田公民館建設候補地等として備えておくためにも借地を継続して、当面は多目的広場として利用することが望ましい旨の中間報告が部会長からなされております。 私といたしましては、幼児教育振興プログラムを策定している最中でございますので、具体的な跡地利用方策は今の段階で申し上げることは差し控えさせていただきますけれども、当面は多目的広場として跡地を活用しながら、幼児教育振興プログラムの中で一定の方向性が示された段階で、跡地の利活用をどのように図っていくか判断してまいりたいと考えているところでございます。 ◆12番(八木三雄君) 確かにいろいろな側面があると思います。財政状況、また国の施策・動向、そして何より地元の意見等をかんがみながら、モデルとしての挑戦、そういった気慨が大事だと思います。ぜひ今後、検討をよろしくお願いしておきたいと思います。 次に、3番目の質問でありました時代に即応した情報バリアフリーの方に移りたいと思います。 今、非常に情報化時代でございまして、行政の情報のランキングといったものがこの間ある雑誌で発表されました。これには、それぞれの地方の公共団体の職員へのアンケートの結果に基づいてつくられたとあります。内容的には情報サービス、アクセシビリティー、情報化政策、セキュリティー等々、また庁内の情報化、この5つの項目にそれぞれ加点しながら作成したものでありまして、三島市におきましては、ちょっと言いにくいわけでございますが、全国の中で 936番目という形でございます。これは職員の皆さんがそう思ったという回答の中でそういったランクがされた。このランクがいい悪いじゃなくて、今の三島市の状況としてそういった状況でございますし、また別の調査によりますと、ここにありますように、三島市のアクセシビリティーを含めたホームページの状況を見ますと、真ん中の小さい表、このレーダーチャートを見ますと一番下の方です。藤枝市は人口約13万人で三島市よりちょっと大きいわけですが、非常に大きい4点ぐらいにこういうふうな形になっております。 今これを見ても、これがいい悪いじゃなくて、それぞれ評価が違いますので、これが正しいとは私は言いません。ただ、こういった状況の中で、やはりこういったことも考える中でホームページをとらえ、そして何よりも情報発信として大変必要なホームページでございますので、ぜひこの辺を考えて、先ほどいろいろな形で取り組んでいくという話がございました。非常に大変なことだと思いますけれども、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 残された発言時間がないわけでございますが、今、この情報バリアフリーについてなかなか世間に浸透していない。そんな状況の中、関連団体へ三島市が率先して指導というほどいかないかもしれませんが、こういったものでつくるべきであるという三島市としての考えをやっていったらどうかと思っておるわけでございますが、その辺について簡単に伺いたいと思います。 ◎総務部長(落合光一君) 関連団体への普及促進についてでありますが、関連といいますと商工会議所や観光協会があろうかと思います。この2つは既にすばらしいホームページをつくり上げておるわけでございますけれども、ただいまの情報バリアフリーについて、市としても説明やあるいは協力等をお願いしてまいりたいと思っています。 ◆12番(八木三雄君) この自治体のウェブサイトというのは、24時間いつでも利用できる行政の窓口でございます。既存の体制を変えることなく、ぜひいろいろな形で見直していけば、すばらしいサービスが可能になると思います。大変忙しい中ではございますが、一層の御努力をお願いしたいと思いますし、財政状況の厳しい中でございますが、るる述べてまいりましたが、小池市長の将来を見据えた力強いリーダーシップと職員の英知を結集して、この三島市をいいまち、いいまちづくりにかけて御努力を期待し、私の一般質問を終わりといたします。ありがとうございました。 ○議長(志賀健治君) 以上で12番 八木三雄君の発言を打ち切ります。 議事の都合によりここで休憩します。なお、再開は14時20分の予定です。              午後1時51分休憩             ----------              午後2時27分再開 ○議長(志賀健治君) 休憩を閉じ会議を再開いたします。 次に、25番 栗原一郎君の発言を許します。     〔25番 栗原一郎君登壇〕 ◆25番(栗原一郎君) 通告に従いまして一般質問を行います。 テーマは、政令指定都市構想と合併問題についてであります。 10年後に政令指定都市を目指すということを聞いて、私、率直に言って大変驚いております。私はかねて、広域行政についてはまず合併ありきということではなくて、広域行政をもっともっと進めて、住民のさまざまなニーズに対して自治体同士が協力・連携し合うことが必要であるという主張を特別委員会などで重ねてまいりましたが、今回はそういうことではなくて、大規模な合併、しかも政令指定都市ということであります。このことについて理解ができない一人であります。 しかも、4市7町1村で合意をしたということでありますが、私はこれまで、小池市長という方はどちらかというと大変慎重な方だと思ってきましたが、それが違っていたのかもしれません。まさかという気もいたしますが、事態は進められつつあります。 そのスケジュールによれば、3年間の研究を経た後、任意合併協議会の設立、さらに3年間の検討を経、法定協議会の設立、ここでの検討が3年間、そして合併し、新しい市が政令指定都市として誕生する、このようなスケジュールになっているようであります。 もちろん、小池市長が政治家として政令指定都市に関心を抱き、その構想を練るという自由はあると思います。あるいは一歩進めて、関係する自治体と例えば共同の研究をするなどのことはあり得る話だと思います。しかし、今回のことは合意したということでありますから、事態はちょっと違う--かなり違うと言わねばなりません。 今議会、この合併問題について、市民の意思を重視してきた市長の姿勢は 180度違っていると先日の一般質問で仁杉議員が指摘いたしましたが、これに対し小池市長は、違っていないと答弁されております。しかしながら、10年後の政令市実現を関係市町村を含めて合意したというこの事態、これ自体が市民の意思を反映したものとは到底考えられません。今後、住民投票を経過するとされておりますが、それにしても、市民の意思を抜きにした合意というものは市長の独断であると言わざるを得ないのであります。 市長が引用される、市長はリーダーシップを発揮すべきであるという市議会の広域行政調査特別委員会の委員長報告、これは去る2月市議会においてなされたものでありますが、私もこの委員会に所属していた一人であります。この委員長報告についても、政令市実現に向けて関係自治体と合意せよ、あるいは政令市構想を進めよなどのことは含んでいなかったと思います。 改めて伺うのですが、この合意という大きな意思決定、このことにおいて市民の意思はどのように反映されていたのか。まず、この点についてお伺いいたします。 そもそもなぜ政令指定都市なのかということについては、なお趣旨がよくわかりません。これまで市議会でも何回かその説明がなされてきましたが、判然といたしません。いわゆる三位一体改革などで財政は厳しくなることが予想される。反面、高齢者福祉へのニーズへの対応などサービスの充実が求められる。だから財政基盤を強化しなければならない。したがって、合併が必要だ。避けて通れない道であると、このようであります。分権、行政の効率化などのキーワードに続き、メリットとされることが殊さら強調され、人件費の削減、新たな財源が得られるなどなど、あたかも政令市になれば財政力が高まり、質の高い行政サービスが展開していけるかのような、そういうトーンで語られております。果たしてそうでしょうか。 さて、政令指定都市構想について、これを構成する市町村がそれぞれ合意をしているといえども、それぞれの首長さんの間には温度差があることは、既にいろいろな形で伝えられております。この議会でも取り上げられましたが、例えば函南町の芹澤町長は、ある新聞において、きれいごとであり無理だとのコメントが報道されているなどでありますけれども、この9月議会でも、首長同士の意思疎通をもっと図るべきだとの意見も出されております。こうした状況は、そもそもが政令市構想は不可能だということを物語るに足ると感ずるのは、私一人ではないはずであります。 そこで次に伺う点といたしましては、この4市7町1村において、果たして政令指定都市が成立し得るものかどうかということであります。人口70万人以上というのが現状での規模のようでありますが、こうした指定要件をどのように考え、いかに整合させようとしているのかということをお伺いいたします。 三島商工会議所から資料として市議会に提出いただいた藻谷浩介さんの講演記録、藻谷氏は日本政策投資銀行地域企画部参事役でありますが、同氏の講演記録の中で、この地域における政令市の可能性について、人口要件からしても富士市も含まなければ不可能と受け取れるお話が記されております。なお、この場合は御殿場市、小山町、韮山町、大仁町などが含まれていない形になっております。また、「当地域が政令市を目指すには経済性が一体でない富士市と手を組まなければならない」とし、「もともと経済的に一体でないところが一緒になって行政することは非常に難しい」と結んでおります。 言うまでもなく政令指定都市とは、地方自治法第 252条の19第1項の規定により、「政令で指定される人口50万人以上の市」のことを言います。ただし、これは運用としては現在のところ70万都市ということでありますけれども、地方自治法において、「大都市に関する特例」という章に示されております。 大都市であることがいいかどうかは別といたしまして、既に指定されているほかの大都市、横浜市や川崎市、神戸市などの大都市、さいたま市を入れて指定を受けている市は全国で13市ありますけれども、これらの政令市とこの4市7町1村をいろいろな側面において比較いたしますと、かなりのスケールの違いがございます。人口規模において言うまでもありません。大都市のバロメーターでもある人口集中地区の面積ということもあります。 小池市長が去る6月市議会において金子議員の質問に答えて示した人口集中地区、いわゆるDID地区でありますが、三島市、沼津市、裾野市、函南町、清水町、長泉町などの市街地は既に一体化しており、DID区域、人口集中密集地域が1つの行政区域を形成しているということを述べられていらっしゃいます。 この人口集中地区の面積は、4市7町1村では72.1平方キロメートル、ほかの政令市を見ますと横浜市が 345平方キロメートル、名古屋市が 274平方キロメートル、一番面積が小さいのがさいたま市で 105平方キロメートルでありますが、しかし人口は 100万人規模でありますので、人口密度は際立って高い状況にあります。ここにも大きな開きがあり、都市としてのスケールの違いは歴然としていると思われます。 新潟市は、現在周辺自治体と合併して、その政令市の指定を受けるべく準備を進めております。ホームページなどでその様子をうかがうことができますが、ここで紹介させていただきますと、指定要件について、法令上の人口要件に加えて、実質的な要件というものが想定されております。「いわく、先進市の状況などから政令指定都市の要件は以下のように推察されます」とし、1、人口 100万人以上。2、人口密度が 2,000人・パー・平方キロメートル。ちなみに、4市7町1村では 690人ほどになるかと思われます。3、第1次産業比率が10%以下。4、都市的形態・機能を備えていること。5、移譲事務処理の能力。6、行政区の設置、区の事務を処理する体制が整っていること。7、政令指定都市移行に関して県と市の意見が一致していること。以上となっております。 新潟市は以上のように実質的な要件を想定しているのですが、この4市7町1村ではどのように考え、これに整合させようとしているのでしょうか。 以上お伺いし、第1回目の質問といたします。 ◎市長(小池政臣君) 栗原一郎議員の質問にお答えいたします。 政令指定都市構想がどうしても自分としては、今までの経過からすると腑に落ちないというお話でございますけれども、実は私が政令指定都市しかないというふうに考えましたのは、国の動向、同時にこれからはやはり地方自治体が国を頼りにしてはいけないと、地方分権の時代、地方分権を確かなものにしていくにはどうしても足腰を強くしていかなければならない、自分の責任において地方の住民へのサービスを決めていかなければならない、このように考えたからでございます。特に最近、6月ごろ結論が出たわけでございますが、三位一体の改革というふうに国は言って、例の国の危機的な財政のツケを地方に回すようにしているというふうに私は思わざるを得なかったんです。 といいますのは国の補助金、負担金を減らす、平成18年度までに4兆円も減らしていくと。さらに地方交付税もこれを縮減していくと。同時に、その減に見合うだけの税源は移譲していくというのが三位一体の計画でございますが、税源移譲が見えてこない、税源を移譲しようとしないと。こういうようなことを私は見まして、これはやはり今後は国を頼りにしていくことは余りできない。同時に、経済の状況も右肩下がりの状況でございますし、こういう状況が長く続くというふうに私は考えました。 今までは、右肩上がりならば国からいろいろな国庫補助金、負担金がいただけるわけでございますし、地方交付税等も計算どおり来るわけでございますので、地方はそれなりにサービスを維持できたわけでございます。 しかしながら、ここ2、3年の傾向を見てみますと、地方交付税もどんどん下がっていく。そして、これからまた国の補助金も負担金も減っていくということになりますと、地方分権の時代において今までのサービスをさらに維持し向上していくには、やはり足腰を強くしていかなければならない、こういうふうに根本的に考えたわけでございます。 同時に、唐突ではないということを申し上げたいと思いますが、これはどうしてかといいますと、今まで市民の皆様方に1年間、広域行政についてはずっとキャンペーンを張ってまいりました。「広報みしま」においては、昨年7月を初めとしまして昨年12月ごろから、合併のメリット・デメリットを初めいろいろなパターン、12回にわたりまして「広報みしま」でやってきたわけでございます。さらにまた12月25日、昨年でございますが、合併に関する講演会も行政サイドでしてまいりました。そして今年に入りまして1月、2月、合併に絞っての地域の懇談会を4回やってまいりました。さらに、 2,000名を対象としたアンケート調査もやってまいりました。 こういうようなことで、皆様方には、合併に対する考えがどこにあるのかということでお尋ねしてきたわけでございます。しかしながら、今年の5月ごろの私の市政座談会の席上において、「そういうことをやっているけれども、市民は深海のごとく静かだ」という言葉が出てまいりまして、あれだけ「広報みしま」等において、あるいは座談会もやったり懇談会もやったり、講演会もやったりしているにもかかわらず、「深海のごとく静かだ」ということはどういうことだろうということを考えたわけでございます。 そのための対策としましては、議会の特別委員会で委員長から、市長はリーダーシップをとってその意思を明確にすべきだということを述べられておりますので、やはり市長として、この合併の問題について態度を明確にすることによって、市民の皆さん方の関心を呼ぶことができるのではなかろうか、一石を投じることができるのではなかろうか、議論を呼ぶことができるのではなかろうか、こういうふうに考えたわけでございます。 ですから、唐突ではないということをぜひ御理解いただきたいというふうに考えているところでございます。以上でございます。
    ◎総務部長(落合光一君) 次に、2点目の国の指定要件をどのように想定し、その整合をいかに考えているかという御質問でございますが、国の指定要件は、先ほど栗原議員が言いましたように地方自治法第 252条の19第1項で、「政令で指定する人口50万人以上の市」というふうに規定されておりますが、実質的要件といたしましては、これまでの指定状況を見ますと、人口80万人以上で将来的に 100万人程度が期待できる都市、2点目に、都市機能や行財政能力において他の政令指定都市と遜色ない都市が指定されております。 都市機能や行財政能力において遜色のないという要件はあいまいでございますが、先進市の状況などから判断いたしますと--これはあくまで推察されるということでございますが、人口80万人以上で将来 100万人以上が見込めること。2点目に、人口密度が平方キロメートル当たり2,000 人程度であること。第1次産業就業者比率が10%以下であること。都市的形態・機能を備えていること。移譲事務の処理能力があること。行政区の設置、区の事務を処理する体制が整っていること。政令指定都市移管に関して県と市の意見が一致していることなどが以前の先進市の状況から推察できます。 静岡市が平成17年4月から政令指定都市となる予定でありますが、静岡市の平成12年度国勢調査の人口は、これは旧清水市と合わせた人口ですけれども、70万 6,513人ですので、合併する自治体に関しては、おおむねこの静岡市の例から考えますと、70万人の人口を有する都市に指定要件が緩和されてきております。 4市7町1村が政令指定都市としての形態を備えているかどうかという、一面では議員の御質問だと思いますけれども、静岡市と4市7町1村を比較してみますと、先ほどの平成12年度国勢調査人口は静岡市が70万 6,513人、人口密度は平方キロメートル当たりおよそ 616人であるのに対しまして、4市7町1村は人口63万 5,240人、人口密度は平方キロメートル当たりおよそ 695人となっております。それから、第1次産業就業者比率は静岡市が 3.6%、4市7町1村が 3.4%、工業出荷額は静岡市が1兆 5,600億円、4市7町1村は2兆 4,700億円、小売店舗数に関しましては静岡市が 8,918店舗、4市7町1村が 6,939店舗で、これはやや落ちますけれども、人口1人当たりの都市公園面積では静岡市が4.81平方メートル、4市7町1村が4.67平方メートルなど、都市的な形態につきましても、静岡市とそれほど差があるとは思えない数値となっております。 なお、政令指定都市の指定要件の1つに、県と市の意見が一致していることという要件がございますが、静岡県知事は、県東部、中部、西部にそれぞれ核となる政令指定都市をつくり、政令市でない市町村は高い自治機能を発揮できるように広域連合を設立したらどうかという構想を持っておられますので、県東部の政令指定都市づくりにつきましても御理解をいただいているというふうに考えます。 いずれにいたしましても、4市7町1村は静岡市と遜色のない都市機能を有しておりますが、人口規模の適用が法律の実際の運用では異なっているということもございますので、今後、国の地方制度調査会などに対しまして、政令指定都市のあり方や人口要件などにつきまして十分検討していただけるよう、東部広域都市づくり研究会として要請してまいりたいと考えております。以上です。 ◆25番(栗原一郎君) それでは、引き続き質問していきたいと思います。 答弁いただきましたけれども、合意ということについての市長の考え方は今述べられましたけれども、市民の意思をどのように反映しているのかという点についてはお答えがなかったように思います。言うならば、市民の意思を反映しているとは言えないということを改めて申し上げたいというふうに思うんです。しかしながら、その一方で準備が進められつつあるわけであります。この政令市は本当に市民の利益になるのかどうか、その点についてはよく考えなければなりません。そういう立場から幾つかお伺いしていきたいと思います。 最初に、なぜ政令市なのかということです。今市長の答弁の中でも、足腰を強めるというふうなことがありましたが、政令市になると足腰が強まるのかどうか、その点についてもどうもはっきりしないというふうに感じております。 なぜ政令市かということについてこれまで幾つか説明されてきておるんですけれども、その1つに、経費削減効果ということが言われております。これは6月議会での金子議員の質問に対する市長の答弁ですけれども、市長は覚えていらっしゃると思うんですが、ちょっと引用させてもらいますと、合併パターンを研究した結果、政令市しかないということを前提とした上で、このように言っていらっしゃるわけです。「例えば合併した場合、どういう経費削減効果があるかということでございますけれども、職員におきましては10年間で 540人、金額にして 112億 8,000万円、それから特別職におきましては10年間で27億 3,000万円、議員におきましては在任特例のない場合において45億円、在任特例がある場合においては7億 2,000万円、合計で 192億 3,000万円というような削減効果を期待している」というお話でありました。非常にインパクトのある話、いいか悪いかの議論はとりあえず置くとして、削減効果が高いということにおいて非常にインパクトのある話だったわけです。 しかし、これを聞いて、特別職と議員はその分減るわけですから、簡単に言ってその分が削減できる、これは理解しやすいわけです。しかし、職員の 540人、 112億 8,000万円については、私は実は疑わしいというふうに思ってきたわけです。 その後、市議会の方に置かれている合併問題調査検討委員会に市の総務課から提出いただいた資料、これは8月25日の資料ですけれども、4市7町1村が合併した場合のメリット・デメリットという冊子を見てみますと、それの23ページになるんですけれども、こういうふうに示されておるんです。「政令指定都市では、区の設置によってほとんど人件費の削減効果はあらわれない」、こういう記述がされております。 数字もそこに示されておるんですけれども、申し上げたいのは、一方では 540人の削減効果がある、これは市長の答弁です。その後出された資料によると、ほとんど人件費の削減効果はあらわれない。非常に大きく食い違っているわけです。まず、この点についての説明を改めて求めたいと思います。 ◎総務部長(落合光一君) 去る6月議会の金子議員に対します答弁内容といたしましては、4市4町ということで議会の中では答弁いたしましたけれども、この比較の対象は政令指定都市ではなくて類似都市、同規模の類似都市と比較して4市4町が合併しますとこの金額、 112億 8,000万円、10年間で 540人の職員数が比較すると削減できますよという数字であります。政令指定都市という数字ではございません。 ◆25番(栗原一郎君) 金子議員のそのときの質問の会議録を改めて読んでみますと、政令市のこととして聞いているわけです。そこへ今の話ですと、中核市の削減効果を説明したということですね。何だかよくわかりませんね。誤解を招きやすいんじゃないですか。いかがですか。 ◎市長(小池政臣君) 確かに、栗原議員のおっしゃることはもっともでございます。私も、4市4町というのは発展的に政令指定都市というふうに考えておりました。ですから、類似都市ということは政令指定都市として比較したというふうに私は考えておりますし、この資料は事務局に作成させたわけでございます。その後事務局は精査に精査いたしまして、皆さん方にお分けしたようなメリット・デメリットという書類が出てきたわけでございまして、実は、あのときにお示しした額は再検討しなければならないというふうに私は率直に思っております。こういうようなことはあり得ると私は思っておりまして、ですから今後3年間、いろいろな細目のことにつきまして事務調査会で検討を始めるわけでございますので、そのことをぜひ御理解いただきたいというふうに思っております。 ◆25番(栗原一郎君) 政令市としての認識で、これだけの削減効果があるという認識だったわけですから、そこはじゃ、ひとつ今ここで認識が改まったということでしょうか。 金子議員の質問の1週間後に合意をなされているんですね。推察するに、言うならばそうした過大な思いの中で、誤った思いの中で合意したということが言えるかと思うんですが、その点についてはいかがですか。 ◎市長(小池政臣君) 率直に言いますと、私はそういう考えを持ったんです。事務局から最近それをもらいまして、何だ、事務部局の方では削減効果がないのかというふうに私自身率直に思いました。こんなにあると言ったのに、どうしてこれがないのかということを言いましたら、いろいろ研究した結果こういうことになったと。 というのは、その原因としましては、政令指定都市の場合は区役所というのを設けると。三島におきましては三島区役所、沼津に対しては沼津区役所、清水町の人は清水区役所、長泉区役所、裾野区役所ということを設けますので、そこに人を配置していかなければならないということですから、そんなに削減できませんというような結果でございました。それも1つの考え方かなというふうに考えておりまして、政令指定都市の場合は税源も移譲されますけれども、人員削減効果は余りないと。 ただし、各所にそれぞれ区役所がありますれば、住民のサービスが身近にできるわけでございますから、そのことは必要だろうというふうに考えております。同時に、区役所があることによって、それぞれ土地特有の伝統と文化も保存・保持・発展できるわけでございますので、区役所という存在は必要だというふうに考えているところでございます。 ◆25番(栗原一郎君) 政令市であるがゆえに、人件費の削減効果というものは余り期待できないということでありますから、そのことについては少しわきに置いておきたいと思います。 財政のことをいろいろ述べられているわけですけれども、そもそもこの合意ということに際して、一体政令市になったらどういう財政の状況になるんだろうかというふうに、財政のシミュレーションなくして一定の考え方を持つということは不可能な話だと思うんです。そもそも、そうした財政のシミュレーションはどの程度なされているんでしょうか。いかがですか。 ◎総務部長(落合光一君) これから合併するに当たっての財政のシミュレーションの件ですけれども、先ほど栗原議員が壇上で述べました三位一体の改革、交付税制度も大変革する、それから補助金制度も、これから平成16年度の予算編成を迎えるわけですけれども、どういうふうに変わっていくかわからない。そういうことの中で、今後何年間かの財政シミュレーションというお話ですけれども、一応三島市単独の二、三年のシミュレーションはつくってございますが、よその市まで含めての財政のシミュレーションは、これから事務調査会の中で個々検討して、その辺は作成していくという段取りになっております。 ◆25番(栗原一郎君) これからやるということでありますので、果たしてそれが財政力が高まる、あるいは基盤が強化される、そういうことに本当になるのかどうかというのは、一定のシミュレーションをしてみなければわからないはずです。したがって、今メリットとしていろいろ言われていることというのは、それはあくまでも希望的なものであって、その思いを言っているにすぎないんです。 そういうふうに前置きをしたいと思うんですけれども、今手元にさいたま市のデータがあります。これは市の財政の方で調べていただいて、もらったものですけれども、ちょっと紹介いたします。 さいたま市、一番新しい政令市でありますけれども、平成13年、2001年に与野市、浦和市、大宮市が合併した。そして翌々年ですか、この平成15年4月に政令市に移行しているという状況であります。このデータは何かといいますと、交付税の動向がどうなったかという話なんです。平成14年度の交付税は合併後約30億円、そして15年度が約39億円ということになっているんです。しかしながら、これはいわゆる合併による算定替え、要するに合併しなかったとみなして、そのまま交付税を上げますよということでこの30億円ないし39億円が交付されているわけですけれども、もし算定替えの措置がないとするならば不交付団体です。交付されません。大宮市はもともと不交付団体だったようですけれども、それ以外の浦和市、与野市は交付団体でしたから交付税をもらっていたんです。そして合併してそれ以降は、今特例措置でされているというだけの話であって、真の姿は不交付団体ですから、もらっていた交付税はなくなっているんです。こういう状況が1つあります。 あえて原理的に、話を単純にしていきたいというふうに思うんですけれども、この合併と交付税の関係はやはり注意していかなければならないと思うんです。言うならば、1足す1は2ではないんです。1足す1が 1.4であったり 1.5であったり、つまり合併することによって普通交付税の金額が少なくなる、これは原理的な話なんです。だから算定替え措置を国の方で用意しているわけです。とりわけ、財政力の豊かなまちとそうでないまちが合併した場合、ますますその傾向が強い、こういうふうに言わなければならないと思うんです。 以上のような前提を私は持っておりますけれども、この地域において4市7町1村の合併ということについては、今私が指摘させてもらっているようなことにおいてどのようなことが想定できるんでしょうか。その点、いかがでしょう。 ◎総務部長(落合光一君) この4市7町1村の交付税に関してですけれども、平成15年度の交付税の本算定は7月までに終わっております。この中で不交付団体、財政力が豊かな団体は御殿場市、裾野市、長泉町、小山町と2市2町あるわけですけれども、沼津市も調整率の後で不交付団体というふうになっておりますけれども、それまで含めますと3市2町ということですが、単純に交付団体を合算いたしますと、15年度の普通交付税の交付額は62億 3,000万円、この中には不交付団体がありますので、それらを合わせて合算いたしますと--これは正確ではありませんけれども、11億 4,000万円という交付税の額になると想定されます。 ◆25番(栗原一郎君) 今お答えになった数字は、あくまでも正確性を欠いているというふうにまず受けとめますけれども、ただ大枠でいって、現在62億円の交付税がこの地域に来ているという実態が、合併することによって11億円に減ってしまう、こういう話であります。この問題を1つ置いておきます。 なぜ合併なのかということの中でのキーワードに効率化ということがあります。この点についても私非常に疑問があるんです。何かといいますと、人口の規模と効率性の関係です。同じ額の税金を使うにしても、それが効率的に使える場合とそうでない場合というのが人口規模によって違う。逆に言うならば、人口規模の違いによって、同じサービスを提供するんでも少ないお金で済んだり、また多くのお金が要求されたり、そういう違いがあるわけです。これをスケールメリットなどと一般的には言うところでありますけれども、人口規模と効率性の関係はいろいろと今まで研究されております。静岡県でも、この問題についていろいろな統計から調査されているというふうに思うんですけども。 そこで伺うわけですが、どういった人口規模が最も効率的とされているんですか。その点はどんなふうに踏まえていらっしゃるか。そして、言うところの4市7町1村の人口規模--非常に多いわけですね。多くの人口規模になると、そうしたスケールメリットというのはどんなふうに変化するのか。その点を、当然資料を持っていると思いますので、お答えいただきたいと思います。 ◎総務部長(落合光一君) 人口規模と効率性の関係という御質問ですけれども、県の方で合併の1つの資料として出してあるものがあるんですけれども、例えばの話で、経常的経費を比べたらどうなるかという資料がございます。全国的に見ますと経常的経費、いわゆる総額が一番少なくて済むという人口規模は15から20万人、これが最も効率的というふうに言われております。それから40万人規模以上で、ややこれに比べて効率性が低下するというふうに言われております。 それともう1つ、先ほど栗原議員の御質問の例として、さいたま市の交付税の交付額が出ておりましたが、私どもの方で持っている資料でいきますと、昨年は基準財政需要額、基準財政収入額、差し引きマイナスの7億 8,200万円、いわゆる収入がオーバーしていて、実際の交付税の額は合併特例で30億 9,000万円、15年4月に政令都市となりましたけれども、これは一本算定でございます。ですから、そういう特例措置を加えない額ということで、基準財政収入額、基準財政需要額、差し引き42億円という交付基準額が出ております。ですから交付税は、合併の特例を加えない一本算定で42億円、政令指定都市になりましてからは、需要額としても昨年に比べて65億円伸びている、こういう事例がございます。 ◆25番(栗原一郎君) 効率化の問題ですけれども、お答えは、人口規模として15万から20万人が最も効率的であるというお話なわけですけれども、そういう意味では、この合併をすることによって経常経費に関する効率性というのはむしろ落ちるわけです。経常経費というのは投資的経費、要するに建設事業以外のすべての行政サービスなどについての経費ですけれども、そういう経常経費がむしろ落ちるんじゃないですか。構成している市町村もほとんどそういう結果を招くんではないですか。これは今後も続く議論だと思いますので、そういう指摘にとどめておきたいというふうに思うんです。 時間もなくなってきたので、少しまとめた形で発言しておきたいと思うんです。 交付税が60億円から11億円、この数字は正確ではありませんけれども、一般財源としてはかなり現状よりも厳しくなるということが考えられます。同時に、最初にお答えがあったように、人件費の削減効果というのは政令市の場合余り見込めない。ということは、人件費を削れなければほかの行政サービスの分野で削っていく、あるいは投資的な建設事業などについて削っていく、こういうふうにシンプルに言えば考えざるを得ないんではないでしょうか。なおかつ、人口が大きくなることによって経常経費についての効率は悪くなるわけですから、その結果としてもたらされるものは、現状よりもむしろいろいろな側面において悪くなるのではないかというふうに私は大きな疑問を持っております。 市長はこれを進めていかれるということですけれども、私が今申し上げたような疑問についてどうお考えになっているんでしょうか。そのことを簡単でいいですから伺いたいというのと、これを進めていくうちに、実は三島市民にとって利益はない、あるいは最初に答弁がありましたけれども、指定要件からしてどうも指定には至らないんではないか。そう判断をせざるを得ないことがあり得るのではないかというふうに私は思います。そうした点について、市長はどんなふうなお考え方でしょうか。 ◎市長(小池政臣君) まず、指定要件に合致しない、至らないではないかという御質問でございますけれども、先ほど総務部長から答弁いたしましたように、新静岡市の例と比較しまして遜色がないということもございますし、地方自治法におきましては50万人以上ということでございますし、地方制度調査会などにおきましても、地方分権ということが叫ばれているわけでございますから、必ず私は人口は70万人の方に落ちてくるというふうに考えております。 平成15年4月1日現在の4市7町1村の人口を先ほど調べましたところ、70万人より1万7,000 人少ない。1万 7,000人あれば70万人になる。皆さん方にお見せしました資料は2万3,000 人ぐらい必要だということでございましたけれども、それが既に 7,100人ぐらい差が縮まっております。それで各市の総合計画、これから10年先の人口はどうなるだろうかという推測の10年後の合計を見ますと、人口は70万人を超えているわけでございまして、そういうことからいたしますと、私は政令指定都市の要件は具備できるのではなかろうかというふうに考えております。 ただ、先ほど栗原議員がおっしゃっておりましたように、事務調査会をこれから私どもは進めていくわけでございますから、いろいろなプラス面とマイナス面がございます。三島市民にとってマイナス面が大きいということにつきましてもどんどん公表していきまして、三島市民の御批判を仰ぎたいというふうに考えているところでございます。 ○議長(志賀健治君) 以上で25番 栗原一郎君の発言を打ち切ります。 議事の都合によりここで休憩します。なお、再開は15時40分の予定です。              午後3時18分休憩             ----------              午後3時40分再開 ○議長(志賀健治君) 休憩を閉じ会議を再開いたします。 次に、14番 下山一美君の発言を許します。     〔14番 下山一美君登壇〕 ◆14番(下山一美君) 最初に、国民健康保険の諸問題について質問いたします。 国民皆保険である日本の医療保険制度は、国民健康保険制度を基本としています。国民健康保険は国民健康保険法第5条で、「市町村又は特別区の区域内に住所を有する者は、当該市町村が行う国民健康保険の被保険者とする。」とし、健康保険、生活保護などに入らないすべての国民を対象した強制加入の医療保険です。生活保護の医療扶助と並んで、国民の医療を受ける権利保障の基本です。 国民健康保険法第1条で、「この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする。」と書かれ、国の責任で国民に医療を保障する社会保障としての性格と位置づけを明確にしています。 また第4条で、「国は、国民健康保険事業の運営が健全に行われるようにつとめなければならない。」「都道府県は、国民健康保険の事業が健全に行われるように、必要な指導をしなければならない。」と規定し、国民皆保険制度の最も基本的な保険制度として、国が責任を持つものであることを明らかにしています。 ところが実際は、高すぎる保険料のため払いたくても払えない、払わないと資格証明書が発行され、病気になっても医療が受けられない。まさにお金の切れ目が命の切れ目となっています。高い保険料や3割の自己負担は、必要な受診を抑制し、治療を中断させ、被保険者の健康悪化を引き起こし、医療費のさらなる増大の要因ともなっています。国庫負担の削減で医療費の増大がそのまま保険料の引き上げにつながり、払いたくても払えないという悪循環を起こしているのです。被保険者に対する制裁措置を強める国や、それを無批判に実施する自治体は、社会保障としての責任を果たしているとは言えません。 さて、9月4日の国民健康保険運営協議会の席上、国民健康保険税の検討課題として、賦課総額の算定、応能と応益の賦課割合、賦課限度額の3点が示されました。そのうち賦課総額の算定については、県国民健康保険室長からの助言事項として、一般会計からの法定外繰り入れについては、適正な保険税収入に立った健全財政を確保するために段階的に改善を図られたいとの指導・監督があったことが報告され、この報告を受けて委員の間で若干のやりとりがされました。 これまで98年度約1億 8,000万円、99年度3億 3,000万円、2000年度3億 7,000万円、2001年度から今年度までは各年4億円の一般会計からの法定外繰り入れで賦課総額の不足分を支えてきました。しかし、県の指導・監督的な助言は、法的な制約は持たないものの、今後の三島市の国保会計の運営上に重要なインパクトを与えるものであり、軽視できません。そこで2004年度の国保特別会計の予算編成を控え、一般会計からの繰り入れについて当局はどのように考えているのかお尋ねいたします。 次に、小池市長の政令指定都市構想について質問いたします。 小池市長は、本年2月定例議会での広域行政調査特別委員長報告のリーダーシップの発揮をという要請を受けて、合併の枠組みを示したことを、合併論議を進めるために一石を投じたと説明しています。私は委員長報告に少数意見を述べましたが、それは委員長報告の内容の是非とは別に、市長のリーダーシップの発揮イコール合併促進という流れの開始を強く懸念したからであり、首長として合併論議に積極性を示さない健全な消極性があってもいいと考えたからです。 しかし、今日になって小池市長は、市民アンケートにより一定の裏づけのあった1市3町の合併どころか、政令指定都市を目指す構想を示しています。今日では、動き始めている三島市の合併論議の中で、小池市長が最も急進的な合併論者になっているわけですので、その論議への健全性を求めても無意味です。むしろその主張の問題点、住民自治という観点から遠ざかる問題点を明らかにすることが重要になっています。さらに、平成の大合併の政治的背景についても一定の確認をしていくことが必要ではないでしょうか。 小泉首相が自民党の総裁に再選され、既に改造内閣も発足し、国会解散、総選挙の日程まで喧伝されています。小泉内閣の発足から今日までの期間は、まさに構造改革の推進によって、国民生活や中小企業の経営が痛めつけられた2年半でした。小泉内閣の進める構造改革の目的は、一言でいえば、市場原理を基準にして戦後の福祉国家体制を見直すということです。社会の資源配分の効率性を引き上げる。労働や賃金そのほかの資源を、低生産性部門から市場原理を使って効率的な部門に移動させるというのが構造改革の基本的な原理です。市場原理を妨害するような公的規制は緩和し、さらに、それを推し進めるために特区制度を実験的に導入する。一方で、効率性以外の基準である社会的ルールや公共的な規範などは一切排除または縮小する。 自治体では、市場原理が作用しない部門については縮小する。自治体リストラで広域行政化、市町村合併、職員の正規雇用から臨時・嘱託化への推進、自治体業務の市場化、民営化、民間委託を進め、自治体のスリム化を進める。これが自治体の行財政改革としてあらわれる構造改革の形です。 こうした構造改革路線では、現在の 3,200余りの自治体のうち、人口1万人以下の自治体は切り捨てる。つまり、自治体としての自治権を大幅に取り上げ、実態として地域組織としての役割のみに押し込め、人口2万人ぐらいにまとめる。あとは20万、30万人規模に合併させる。税源については自前主義で、交付税や補助金に依存させない。さらに、起債を自由化し、自治体は債券市場に格づけされながら経営しなければならなくなり、そのために行政評価などの新しい行政運営が一層進むことになります。 こうした自治体における構造改革が進む中で、住民として最も大切にしなければならないのは、自治体の目的である福祉の増進です。国において福祉の各分野への市場原理の導入と自助努力の強調のもとで、住民に最も身近な地方自治体の果たすべき役割は、ますます重要になっています。 また、これからの高齢社会で高齢者はどういう生活を地域の中でしていくのか。高齢者は簡単に移住も移動もできないわけですから、そうしたライフスタイルの見通しの中で、地域の構造を考えていくという新しいまちづくりのあり方を真剣に問われているのではないでしょうか。 いずれにしても、こうした問題点を持った構造改革が進むもとで、小池市長が政令指定都市構想を打ち出した理由は何でしょうか。なぜ政令指定都市なのでしょうか、お尋ねいたします。 なお、先ほど栗原議員が同趣旨の質問をされていますので、答弁は簡明にお願いいたします。 以上で壇上での質問を終わります。 ◎市長(小池政臣君) 下山一美議員の質問にお答えいたします。 市長が示す政令指定都市構想についての中で、政令指定都市構想を今打ち出したのはどういう理由かということでございますけれども、人口規模に応じまして市の形態が4つに分かれております。一般市は人口5万人以上で、その他の条件もございますが、合併特例法の特例措置で平成17年3月末までに合併した場合には、人口3万人以上であれば市になれます。一般の市には福祉事務所の設置が義務づけられております。次いで人口20万人以上の特例市でございますけれども、特例市では開発審査会の設置が可能となります。それから人口30万人以上の中核市でございますが、中核市になりますと保健所の設置なども可能となります。 そして、地方自治法では政令で指定する人口50万人である政令指定都市であります。政令指定都市になりますと、国道や県道の管理、県費負担の県職員の任免、児童相談所の設置なども可能になるほか、区役所を置くことによって、より身近な住民サービスを充実することも可能となります。また、監督権が県知事から国の主務大臣となります。このように、政令指定都市になれば県並みの権限を持つことができ、より高度な住民サービスを提供することが可能となると思います。 また、県内では中部の静岡市、西部の浜松市を中心とした天竜市・浜名湖地域があり、このままの状況が続けば、より一層県内は西高東低と言われる状況になり、県東部地域の存在感が薄れてしまうという結果を招くおそれもございます。このようなことから、やはり合併するのであれば、沼津市や裾野市などとともに政令指定都市を目指すことが方向として最もよいのではなかろうかと判断したわけでございます。 その判断の上に立って、去る6月3日に行われました三島政経懇話会総会の席上、アンケート調査では1市3町が多いことから、まずは1市3町で合併を進め、最終的には政令指定都市を目指したいと考えているが、6月市議会も6月17日から始まるので、議会でも十分議論を深めていただいて、さまざまな角度から検討を重ねていただきたい旨の発言を行ったところでございます。この発言をきっかけといたしまして、議員も御承知のとおり、静止しておりました県東部地域の合併論議に一石を投じ、その波及効果も起きてきたわけでございます。 また本年2月には、議会の広域行政調査特別委員会の委員長報告があり、合併については市長がリーダーシップを発揮すべきであるという指摘もございましたので、熟慮に熟慮を重ねまして、6月議会で初めて、政令指定都市構想を述べさせていただいたものでございます。 私は、地方分権の進展の中で、やはり自治体の自立がこれから求められていくというふうに思っております。国からの地方交付税も縮減されていきますし、三位一体の改革も十分ではございません。そういうことからしますと、地方自治体の自立ということを考えますと、県並みの権限あるいは県並みの税源移譲等が図られます政令指定都市が最終的に求める方向ではなかろうかと私は考えたところでございます。以上でございます。 ◎環境市民部長(三輪芳秋君) 一般会計からの国保会計への法定外繰入金についてでございますが、今日の国民健康保険を取り巻く状況は、急速な高齢化の進展によりまして、構造的に高齢者の割合が高くなる中、医療技術の高度化に伴う医療費の増加、また長引く経済低迷によります被保険者の増加という要因を抱える一方で、被保険者の平均所得の低下や国保税の徴収努力はしているものの、収納率が低下するなど、深刻な課題を抱えております。 国民健康保険における保険給付費は、本来1年間の支出総額を推計し、国庫負担金、補助金等を差し引いた残りを被保険者の方々が納める保険税で賄うこととされておりますが、今日の経済状況の中で、できる限り被保険者の負担増を求めないで、一般会計からの法定外繰入金によりまして国保会計の運営を図ってきたところでございます。 国保税の見直しにつきましては、平成10年度に改定したものでありますが、その後の一般会計法定外繰入金の状況としましては、平成10年度に1億 7,932万 9,000円、平成11年度に3億3,000 万円、平成12年度には3億 7,000万円、平成13年度、14年度、15年度の3カ年は4億円と、10年度以降年々増加している状況であります。 一般会計への依存度が高くなりまして、保険制度としての性格が薄れていることへの厳しい御指摘もございます。市議会の中でも再三、国民健康保険加入者以外の税金が投入されているという御指摘を受けておりますし、また今年の9月4日に開催されました国民健康保険運営協議会におきましても、国民健康保険特別会計として自立できるよう、財政運営のあり方を研究すべきであるとの御意見が多くありましたことは、下山議員も御承知のとおりでございます。 こうした中で、さきの6月議会での御質問に財政部長から答弁いたしましたように、一般会計を取り巻く環境がますます厳しい状況の中で、これまでと同様な財政調整基金を取り崩しての繰り入れは難しいものと考えております。したがいまして、国民健康保険特別会計の財政運営がどうあるべきか、医療費の動向、国庫負担金、保険税収入額などの見込み額の試算結果を踏まえまして、国民健康保険運営協議会にお示しし、各委員の御意見を伺いながら慎重に検討してまいりたいと考えております。 ◆14番(下山一美君) 最初に、政令指定都市構想から再質問させていただきます。 今、市長から従来の見解に若干加味した形で、また部分的に強調する形で答弁されたと思います。従来は三位一体の改革の推進、それから高齢化の進展、そして生活圏の同一化等を議会の委員会でも示されていましたけれども、今それを少し進んだ形で、県並みの権限の移譲とか県並みの税源の移譲等を中心にお話がされました。 ただ、国道や県道の管理ができるということ、それから児童相談所の設置、それから区役所の設置等が具体的な事例として報告されましたけれども、国道や県道の管理につきましては、当議会の一般質問で仁杉議員から、必ずしも管理・運営が移譲されることによって財政的によくなるわけじゃなくて、むしろ支出が増える。とりわけ東部地域は国道がたくさん走っているという中で、管理に費用がかかるというような指摘がされました。この点はやはり検討する余地があるというように私は思います。 それから区役所の設置ということも、さきの栗原議員の質問の中でも御答弁がありましたけれども、例えば人口50万、60万人の政令指定都市の中で、先ほども清水町にも長泉町にも三島市にも沼津市にも区役所ができるというお話もあったんですが、人口数万のところに区役所を設置するという事例は今までないんです。大抵10万から20万人規模、もっと大きな都市はそれ以上の規模の区が設置されているんです。ですから3万とか5万人、もしくは2万人という規模で区役所が設置されるというのは、先ほど議論もありましたように、経費がさらにかかってしまう。それが足腰の強さではなくて、経費の過多ということが財政力を危うくすることにつながっていくわけですので、ただ単に言われている区役所の設置ということをうたうのではなくて、やはり実情に応じて、どういう形で区役所が設置されるかというところまで細かく検討された上で、私は御答弁された方が今後にいいのではないか、余計な話ですけれども、そのように思います。そういうように、市長の御答弁に、どこかやはり矛盾を覚える部分があるんです。 今まで市長は、先ほど言いましたように三位一体の改革、そして高齢化の進展、そして居住地の同一化ということを挙げられてきました。特に骨太の方針の中で、その三位一体というのが強調されているわけです。しかし、その三位一体というのを突き詰めて言えば、結局、地方自治体の財源がどんどんやせ細ってしまう。これは市長御自身も言っているとおりだと思います。市長は、だからこそ政令指定都市を目指すんだというふうに言っていますけれども、私は逆ではないかというふうに思うんです。 三位一体の改革というのは、地方分権の時代、むしろ地方に税源を移譲して、積極的に地方のまさに足腰を強めていく、その方向に進むべきですけれども、三位一体の改革の方向というのは違うんです。税源は移譲されるけれども、イコール税収ではないんです。税収がついてくるわけではないんです。税源は移譲されるけれども、税収は地方自治体の努力で上げなさいというのが改革の方向なんです。ですから、地方自治体が他の社会的な要因とか経済的な要因で税源たるものがどんどん少なくなっていけば、同時に税収も減っていくんです。そういう観点も大事ではないでしょうか。 そういう点でむしろ、三位一体の改革の中身を傍観する、また流れとして仕方がないというふうに見るのではなくて、国民への犠牲の転化、さらに地方切り捨てという観点から、それはあるべきではないという意見を国に上げていく。そういう姿勢が求められるのではないかと私は思います。 もう1つ、生活圏の一体化というのを市長はこれまで繰り返し述べてまいりました。日常生活圏の拡大、同一化の反面、行政区域だけは分かれている。道路網の整備や環境保全対策、産業振興などでより効率的で一元的な一体的な施策の推進も図ることができるというふうに答弁されています。さらに、7月18日の議会の合併問題調査検討委員会では、自治体ごとに各種の施策に違いがあるというふうにも説明されています。行政サービスの違いというのは、現在の制度のもとでは当然発生するものではないでしょうか。 そこで私は、国民健康保険税の被保険者1人当たりの調定額の資料をグラフにしてみたんですが、ここにありますように、真っ黒なのが三島市です。その他が4市7町1村を全部含めての調定額の棒グラフです。ごらんになるように、8万円から10万円の幅ですべて入っています。ですから、2万円の幅で各自治体ごとに格差があるわけです。これが今の実態なわけですけれども、このように違いがあることは制度上仕方がないことです。 それで、これを効率化・一体化するということは一体どうなるかということですけれども、結局、今財源が限られる、今後ますますそれが厳しくなるということの中では、結果的に被保険者自身の負担が増えていくということになるのではないでしょうか。国民健康保険を初め地方自治体の各種の福祉制度は、都市の枠組みの拡大だけでは解決できないほど、今深刻な状況になっているんです。根本的に国の負担の拡大や制度そのものの改革なしには、解決できない事態に至っているんです。それを単にスケールが大きくなれば解決がされるような表現、持っていき方、また市民に対する説明、それは市民の中に善良な誤謬を生む大きな要因になっていくと思うんです。ですから、今後政令指定都市をもし構想として発表されるならば、そこも精査して、正確な情報として市民に知らせていくという立場が市長には求められているというふうに私は思います。 さらに、少子化の進展という点で、市長は少子高齢化の進展、今後急激に高齢者人口が増加し、これからは高齢者福祉サービスに相当の経費をつぎ込む必要がある。また生産年齢の人口減も顕著になり、税収の減少も懸念される。合併によって行財政改革を図り、その中でより高度なサービスを目指すことが市民にとってプラスになると述べていらっしゃいます。これは一面正しいと思います。 しかし、少子高齢化の社会を想像する中で、少子高齢化というのは一方で少子化部分もあるんです。そこでの例えば乳幼児や児童・生徒に対する保育費や教育費、福祉費、医療費、その他の経費の削減というのも自然減ですね。それから政策的な減少もありますけれども、それも相当程度考えられる。これもしかるべきではないでしょうか。 そういう計数的な検討を抜きにして、マイナス部分だけを強調する。これもやはり私に言わせれば、偏った市民に対する情報提供だというふうに思います。私自身は、政令指定都市構想は決して妥当なものとは思っていませんけれども、市民に公平な判断を仰ぐ場合に、先ほど来の議論もありましたけれども、正確な情報をいかに伝えるかというのは行政の役割だ。市長も再三それは述べていらっしゃいました。その点については共感します。しかし間違ったとか、もしくは健全な誤謬を生むような情報というのを、この段階で先行的に示していくというのは、私はとるべき手法ではないと思います。 少し整理してみますと、市長は三位一体の改革の推進、それから生活圏の拡大・同一化、3番目に少子高齢化の進展、この3つを政令指定都市を目指す広域合併の根拠とこれまで説明されてきました。具体的なものが先ほどいろいろありました。しかし三位一体の改革というのは、新しい内政制度、いわゆる制度疲労を起こしているこれまでの中央集権体制から、新しい官僚中心の中央集権体制を形づくる手段ではないでしょうか。さらに、市町村合併を進めるための財政的なむちでもあると思います。これまでの国の失政のしわ寄せを地方に押しつける--これは市長も先ほど言っていらっしゃいました--そのためのものであって、住民福祉の増進を第一の任務とする自治体の側からすれば、むしろ批判し、それを押し返すという役割が首長には求められているのではないでしょうか。 生活圏の拡大と都市部の同一化は、必ずしも行政区域の同一化をイコールで求めているわけではないと思います。現在も行われていますけれども、一部事務組合などの広域行政の推進でも対応できるものは幾つもあります。いろいろ課題はありますけれども、現在も例えば消防、救急医療体制、図書館業務、住民票等の各種証明書の発行など、広域化は少しずつですけれども進展しています。まだまだ検討すべき余地はたくさんあると思います。また、少子高齢化社会の進展というのは、高齢者サービスなど行政需要の増大、マイナス面だけをとらえるのではなくて、先ほど言いましたように自然減、現象面もとらえて、それをプラスとしていくことも大事ではないでしょうか。 そういう点で私は、先ほど若干議論がありましたので要望にしておきますけれども、合併のシミュレーションを正確に描くべきだと私は思います。いわゆる合併特例法では、2005年3月までに合併すれば地方交付税算定上の特例の適用を受けて、合併しても合併しなかったと仮定してそれぞれの自治体ごとの地方交付税を算定し、その合計額を保証するという特典があります。しかし、小池市長は10年のスパンで政令市を目指すとおっしゃっていますので、これは特典を受けないということが前提です。 この特典は受けないとしますと、先ほど議論もありましたように、合併すると交付税は明確に減少します。同一化を理由にして効率的な施策の推進をしたくとも、財政的にできないのではないでしょうか。政令市になって、大きくなってスケールメリットがあるからといって、各種の施策が合併前よりもよくなるという保証はここからは出てこないわけです。この特例が2005年3月以降の合併にも仮に適用されたとしても、10年後以降は段階的に減少されるわけです。さらに、15年後以降には確実に合併前よりも交付税が少なくなるということは、これは周知の事実です。市長はこうした要素も入れて、少なくとも20年間もしくは30年間の財政シミュレーションを市民に示すべきではないでしょうか。 また、自治体の規模の拡大という論理ばかり追求するのではなくて、現在の規模でも、現在の財政でもその財政をしっかり確立して、環境保全、市長の言う環境先進都市を目指しながら、福祉制度を拡充して、住民が安心して暮らせるきめ細やかな自治体のあり方を示す。これが今大事ではないでしょうか。そうしたまちづくりの方向を示す材料としてシミュレーションがあると思います。市長、簡単で結構ですけれども、こうした財政のシミュレーションを20年、30年のスパンで市民に示す、そのお気持ち、決意をお聞かせいただきたいと思います。 ◎市長(小池政臣君) 下山議員がおっしゃいますように、市民の判断材料として20年、30年後のシミュレーションを示す必要があるということでございますが、それは私も必要だと思っております。そういう努力をします。しかしながら、なかなか材料が集まらないんです。シミュレーションをやる根拠が非常に流動的で変わってきますから、すべての単価がどんどん変わってきますから、何を基本にしてシミュレーションしていいかということが今非常に困る。そういうことがございますけれども、できるだけ私は、市民にこういうことは公表していきたいという姿勢でございますので、市民が判断の材料とするようなものをどんどん出していきたいというふうに考えております。 先ほど区役所のことについてお話がございましたけれども、10万人以下のところは今まで区役所がないということで、そのとおりでございます。しかしながら、9カ所もあるところもありますし、静岡市のように3カ所しかないところもございます。それはやはり地方自治体が決めることでございまして、これを何カ所にしなくてはならないという国の規定もございません。ですから、新しい政令指定都市ができますれば、当然今まで地方自治体だったところが区役所になるということが必要ではなかろうかというふうに私は考えているところでございます。それから、三位一体の改革でございますけれども、国に対して物を申せということでございまして、もちろんそのとおりでございます。私もそのとおりやってまいりました。県の市長会でも、ここにございますが、三位一体に関する緊急要望をやってきました。私は、三位一体の真の改革ということでたすきをかけて全国市長会へ出てまいりましたし、そういうような行動はやっておりますけれども、国の方向としましては、国が非常に財政的に危機的状況にありますので、税源を移譲しないような状況で、私は危機を感じているということでございますので、御理解いただきたいと思います。 ◆14番(下山一美君) 財政シミュレーションにつきましては、今後いろいろな努力の中で出していただくということを確認したいと思いますけれども、材料がない、なかなか難しいですよと言うならば、なぜ市長は政令指定都市という構想をおっしゃるのでしょうか。もし私が市長だったら、一定の財源をつくって、材料を用意して、こういう青写真があるからこれはいいよと。こっちよりもいいじゃないか。今後10年間、11万人もしくは一番いっても13万人もいかない、どんどん減っていくという自治体よりも、50万、60万、70万人の政令市になった方がいいじゃないか。具体的にこういう青写真を示して、当局者もしくは議会に賛同を求めます。 しかし、それがなかなか集まりませんよと。しかし政令市は大事です、必要ですよ。4市7町1村の首長の合意を得た。これは少し解せないといいますか、私は理解できない問題です。市民がそういう状況を知れば知るほど、市長の真意についてはかりかねるというのが現状ではないでしょうか。 いずれにしても、小池市長の言う政令指定都市構想を判断する物差しとしては、市民生活、住民の暮らしや商売がよくなるかどうか、これがやはり大事だと思います。市政の主役は市民ですから。構造改革によって、いわゆる痛めつけられた住民の暮らしと営業をどう再建するか。これへの回答は、住民福祉の増進を図るという地方自治法の第1条、この自治体の最も大切な目的を、文字どおり進めるかどうかにかかっていると思います。この点で、小池市長の今後の言動を注意深く見守っていきたいと思います。 次に、国民健康保険に移ります。 今、部長から一般会計、財政が厳しい中で、国保会計に対する一般会計からの法定外の繰り入れについて、これまで同様に繰り入れをすることは非常に困難だ、厳しいという趣旨のお話がありました。そこで私は、国民健康保険がどういうものかということを改めて振り返りたいと思います。 国民健康保険は、憲法の理念に基づいて、1959年4月から施行されました。憲法第25条の精神を受けて、壇上でも紹介しましたけれども、国民健康保険法第1条に、「国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もつて社会保障及び国民保健の向上に寄与する」、このようにしています。医療保険制度の中で唯一、社会保障としての位置づけが明記されている。社会保障として医療を国民すべてに公的に保障する制度、これが国民健康保険だと思います。 国民健康保険の発足の背景を見ますと、発足当初から国保には、社会保険に加入することができない零細な企業の労働者、それから自営業者、農林漁業者、そして都市の勤労者、最近では年金生活者等がたくさん入っています。発足当初からその加入者には低所得者、生活困窮者が多くて、十分な国庫負担なしには維持できない制度でした。だからこそ、国が責任を持つ社会保障制度として出発してきたわけです。このため、低所得者の保険料負担の救済措置として、減免制度が法律の中で規定されています。国民だれもが安心して医療が受けられる制度、それが社会保障としての医療保険制度のはずです。 保険者である自治体は、こうした国保の社会保障制度としての性格を正しくとらえて、制度の維持発展に努めなければならないと思います。この点について見解をお尋ねします。 もう1つ、議会や国保運営協議会等で、一般市民の、いわゆる被保険者以外の税が投入されているということに対する御意見、指摘があるというふうにされていました。これに対して当局はどのように考えるのでしょうか。簡潔に答弁願います。 ◎環境市民部長(三輪芳秋君) まず、国民健康保険の役割、性格づけについて答弁させていただきます。 現在の社会保障制度の中には、公的扶助、社会福祉、社会保険、児童手当、公衆衛生及び医療、環境政策、6つの部門で構成されております。このうち社会保険というのは、保険理論に基づきまして拠出する保険料、税と保険給付との総合的な対価関係を基本として、保険事故に対する補償を行う制度であります。 また社会保険の種類としましては、医療保険、介護保険、年金保険、雇用保険、災害補償保険がありまして、国民健康保険はこの医療保険の範疇に入ります。一定の要件を備えている人は強制加入することとなっておりまして、被用者以外の一般国民に対する医療保険を確保する制度で、医療保険制度の一大支柱となっております。国民の健康と福祉を保障する全体の仕組みの中で、極めて重要な位置を占めているというふうに認識しております。 下山議員も御承知の運営協議会委員のための「国民健康保険必携」という本がございますけれども、これによれば、国民健康保険は保険の技術を用いて、加入者の相扶共済を図る社会保障制度とされておりまして、公的な強い管理体制のもとにあって、加入は強制であるとされております。 つまり、国民健康保険におきましては、その市町村の区域内に住所を有する者は、国民健康保険法第6条の適用除外に該当する者を除いて、その住所を有するだけで法律上当然に、その市町村の国民健康保険の被保険者となります。また、当事者の意思のいかんにかかわらず、何らの手続も要しないで保険関係が設定される強制保険ということになります。要するに、保険給付を受ける権利を取得させると同時に、保険税を負担する義務を負わせるというものであります。 いずれにいたしましても、国民健康保険の役割は、被保険者の疾病、負傷、出産または死亡に対し必要な保険給付を行うことでありますので、社会保障制度における医療体系に属し、その中核をなす医療保険制度であると認識しております。 それから次の質問で、国保の運営の自立性のことについて厳しい御指摘を受けているという先ほど答弁をいたしました。それについてどのように見解を持つかということでありますけども、ただいま国民健康保険の役割、性格づけについて答弁させていただきました。社会保障の中における医療保険制度、いわゆる保険制度でありますので、一定の加入者の負担というものは当然ついて回る。そのようなことから、国保会計の自立性が弱まるということに対して、やはり市民各般といいますか全体から、一般会計からの繰り入れについて批判があるということも、これも十分あり得ることだというふうに考えております。以上です。 ◆14番(下山一美君) 今の見解ですと、国民健康保険がいわゆる社会保障だという観点が非常に弱いといいますか、若干触れられているけれども、基本的にそういうところに国民健康保険の位置づけをするという部分が弱いというふうに私は思います。国民健康保険というものを単に他の健康保険、いわゆる社会保険ですね、それから船員保険とか他の医療保険制度と同一視するわけではないわけです。部長は今、基本的なというか基幹的なというか、そういうような趣旨の医療制度だとおっしゃいました。まさにそのとおりで、国民の医療を受ける権利を支える医療保険制度なんです。だからこそ、社会保障だと言われているんです。他の制度と同様に、単に医療保険だというふうにみなすことは、正しい見解ではないと私は思います。 さらに、国民健康保険に相互扶助の原理を貫くことは、いわゆる国の責任とか保険者の責任を棚上げにするというように私は思います。これは、国民健康保険制度の趣旨や目的からして許されるものではありません。単に国民相互の助け合い制度ではなくて、国や自治体が責任を果たす社会保障制度だからこそ、国民健康保険には多額の国の費用、国庫負担がされているわけです。単に医療保険制度でしたらば、それは被保険者がそれぞれ相互扶助で助け合って保険料を払えばいいわけです。そうではなくて、国民皆保険制度を根底から支えているのが国民健康保険であり、もし国民健康保険が自由加入で保険料を払える方だけ払えばいいと言ったらば、大変な数の方々が国保から離脱していきます。 そういう意味で、単なる国民相互の助け合い制度ではなくて、国や自治体が責任を果たすべき社会保障制度です。繰り返しますが、いつでもどこでも安心して医療が受けられる、そういう日本の医療制度を根底から支える保険制度だという位置づけを当局は持つべきだと私は思います。そういう観点から、一般会計からの繰り入れを見るべきだと思います。 今、部長からも御紹介がありました「国民健康保険必携」、これは改訂第11版です。これは厚生労働省がつくったものですから、私の基本的な立場とは異なるかもしれません。しかし、この「必携」でさえ、一般会計からの繰り入れはあるべきものだというふうにしています。若干長いですけれども、読んでみます。 「国民健康保険事業は、特別会計を設けて、独立して経理を行うものです。地方公営企業法の適用を受ける公営企業特別会計のように、完全な独立採算が要求されるものと解するべきではないと考えられます。国民健康保険事業は、地域住民の福祉増進の一端を受け持つものであり、一般の福祉行政と無縁ではあり得ないものです。例えば老人医療や乳幼児医療とか保健師活動とか、一般の福祉あるいは保健行政と多分に重複したり共同して行ったりする面があるわけです。そこで、この部分の事業実施の経費が国民健康保険事業の独自の財源である保険料や国庫負担金のみで賄われることは、負担の公平という見地からどうかと考えられる面もあります。この面では必要に応じて、財源の一部を一般会計から国民健康保険特別会計へ繰り入れるべきではないかと考えられましょう。」 このように、国でさえ明確に述べているんです。それを、基本的に一般会計からの繰り入れは認めながらも、単に一般会計の財源が厳しいというだけで--だけでですよ、従来の繰り入れを減少するようなことがあってはならないと思います。 部長に言うまでもなく、先ほど壇上で申し上げましたように滞納者は激増しています。現年度では2割近い滞納者があるでしょうか。そして、それに伴って短期保険証やさらには資格証明書の交付者も増えています。そうした中で、6月議会で私が述べましたように、国民健康保険は今崩壊の危機に直面しています。そのときに、保険者である地方自治体が国民健康保険そのものの必要性を社会保障として認めて、それを財政的に支える、その立場に立たずして、それでいいかどうか、私は大変疑問に思います。 改めて、そういう立場で担当部長の見解を求めたいと思います。 ◎環境市民部長(三輪芳秋君) 先ほどの答弁の中で、相扶共済という表現が社会保障を否定するというふうな御意見でございましたけれども、この件に関しましては、例えば昭和33年2月12日に、佐賀県小城町の町条例が憲法の思想及び良心の自由、財産権に違反するとして争われた裁判での最高裁の判決がありまして、その判決理由の中でこのように述べております。「国民健康保険は相互扶助の精神に、相互共済の精神にはかり、国民の疾病、負傷、分娩または死亡に関し保険給付することを目的とするものである。」略しますけれども、「相扶共済の保険の性質上、保険事故により生ずる個人の経済的損害を加入者相互において分担すべきものであることも論をまたない。」 また、平成11年12月21日に、旭川市の国民健康保険条例がやはり法に反するということで争われた裁判の中で、札幌高裁の判決でも、ただいま申し上げました見解を引用しておりまして、「強制加入、強制徴収は社会保険としての国民健康保険の目的、性質に由来するものである。」というふうに述べておりますので、保険制度でありますので、相扶共済という考え方は定着しているというふうに私は理解しております。 それから、保険事業に係る一般会計からの繰り入れにつきましては、確かにこの「必携」の中に下山議員がおっしゃられましたように、国民健康保険へ一般会計から繰り入れるべきであるとの見解もあると。私も十分考えられると思います。ただ三島市におきましては、この保健事業の主体は健康増進課が実施主体となっておりまして、健康体力づくりに関する事業、健康相談等の啓発事業を保健事業として実施しております。国民健康保険会計からそれほどの負担はしていないということであります。国民健康保険は被保険者分として、健康相談用のパンフレット等の事業に係る必要経費の一部に負担しているというのが現状であります。以上です。 ◆14番(下山一美君) 国保会計からの特別な負担はしていないということですが、それは積極的にやるかどうかの問題です。 それで、これは一般会計からの繰入額と保険料額ということで、黄色く塗ったのが静岡県東部の4市です--ごめんなさい、ここまでが静岡県東部の9市です。磐田市以降が、三島市と人口規模が前後するような自治体の一般会計からの繰入額です。最高が12億円です。そして一番下がゼロで、三島市が4億円です。これを見ますと、沼津市は若干特殊事情がありまして10億円を超えていますけれども、これは特殊事情です。年々減っていくというふうに説明がありました。それは理解します。ただし、熱海市は4億円を超え、そして富士宮市が4億円を超えています。他市はずっと低いです。 これが保険料の金額です。これを見ますと、押しなべて、多額の一般会計からの繰り入れをやっているところは保険料が安くなっています。そして少ないところは高くなっている。これが傾向です。これはそういう傾向です。 このように、一般会計の繰り入れは決して三島市だけが--4億円という金額が多過ぎるというものではありません。富士宮市では、より積極的に国保会計への一般会計繰り入れをやって、低い保険料で維持しています。 少し話を転じたいと思いますけれども、9月11日付の読売新聞を部長は見たと思います。市長も見たと思いますけれども、老後生活の不安、79%です。よく読んでみますと、自分の老後の生活に不安を感じていると答えた人が79%、78年調査以降、最多となった。50代で82%、30代で61%ということで、8割近い方々が老後生活に不安を感じている。その中で、医療に対する不安というのを感じている方が50%台あるという回答がされていました。こういう報道です。 このように今、老後の生活、そして特に老後になって病気になりがちな生活の中で、医療に対する不安が高まっている。そのときに市民の3分の1以上、世帯にすれば半分以上が加入している国民健康保険が、もし来年度財政が厳しいといって、一般会計からの繰入額を下げられたらどうなるでしょうか。 ここには、先ほど言った静岡県からの指導、監督、助言に対する三島市の回答があります。「一般会計からの法定外繰り入れについては、適正な保険税収入に立った健全財政を確保するため、段階的に改善を図られたい」という問いに対して三島市は、「改善できていない。平成16年度以降の改善に向けて準備中だ」という回答をされています。一番心配するのは、一般会計からの繰り入れを引き下げますということです。これは結局、被保険者の負担につながっていきます。 時間がありませんからこれで閉じますけれども、くれぐれも被保険者の負担にならないように、健全な国民健康保険会計の改善策をぜひ講じていただきたいと要望して、私の質問を終わります。 ○議長(志賀健治君) 以上で14番 下山一美君の発言を打ち切ります。 議事の都合によりここで休憩します。なお、再開は16時50分の予定です。              午後4時30分休憩             ----------              午後4時51分再開 ○議長(志賀健治君) 休憩を閉じ会議を再開いたします。 次に、19番 鈴木勝彦君の発言を許します。     〔19番 鈴木勝彦君登壇〕 ◆19番(鈴木勝彦君) 一般質問もいよいよ私が最後になりました。皆さんお疲れかもしれませんけれども、どうか議員の皆さん、それから当局の皆さん、ひとつよろしく私にお時間をください。よろしくお願いします。 それでは、通告によりまして一般質問をさせていただきます。 まず1点は、国道 136号への右折レーンの設置についてでございます。 国道 136号は、三島市と田方地域を結ぶ、都市の骨格を形成する大変重要な幹線道路であります。近年の車社会の進展の中で、昭和44年に今の形で建設された当時とは比べようのないほど交通量が増しています。特に朝夕、休日、観光シーズンともなると、伊豆方面へ向かう車、また帰りの車で道路が大変混雑し、地域住民の生活や経済活動に影響を与えている現状であります。また、かつて想像もしなかったような商業業務施設が調整区域を含め、この道路の沿道に立地しております。これらの施設を利用する地域住民の交通も多くあります。 しかしながら、4車線道路とはいっても、右折帯、右折レーンがないことから、交通事故が多発する事故多発路線であると警察から伺っております。そこで8年前、平成7年2月、現状の幅員16メートルより11メートル広い、片側で約 5.5メートルずつ広がる幅員27メートルで都市計画決定されております。そのときの説明では、右折帯も設置されるとのことであった。現在、中郷小学校の前で工事を行っているようですが、どのような状況か、また今後の見通しはどうか伺いたいと思います。 また、この改良工事が長引くならば、現状の中で主要な交差点である安久交差点、明治ケンコーハムの前です。八反畑交差点、これは鈴木工務店のところでございます。及び青木交差点に右折帯ができないかどうかお聞きします。 次に、萩土地区画整理事業についてでございます。 土地区画整理事業については、良好な住宅、宅地、また道路、公園などを一体的に整備し、供給する総合的な土地整備事業として全国各地で実施されております。また三島市においても、過去10数カ所を施行していると聞いておりますが、しかし、三島市がこのような実績と経験を持ちながら、現在都市計画決定されている萩土地区画整理事業については、いまだ事業の着手に至っておらず、市民や地元関係者からも状況が見えない、わからないとの意見を伺っております。 この萩土地区画整理事業は、土地所有者の皆様が主体となる組合施行でありますが、市としても計画時から施行時、そして事業完成まで組合へのバックアップが当然必要ではあります。今の萩土地区画整理事業の現状は、非常に難しい段階であると思われておりますが、この土地区画整理事業を計画した経過、いきさつ、また現在の進捗状況、そして今後の予定をまずお尋ねいたしたいと思います。 以上で壇上からの質問を終わります。 ◎市長(小池政臣君) 鈴木勝彦議員の質問にお答えいたします。 まず、国道 136号への右折レーンの設置についてでございますけれども、国道 136号は国道とはいえ、その管理は静岡県が行っております。三島警察署に聞くところによりますと、平成14年度中の当市域での交通事故発生件数は 1,131件と、前年に比べて90件減少しておりますけれども、主要幹線である国道1号 123件、国道 136号 134件と、約22.7%の交通事故がこの路線に集中しておりまして、国道 136号の事故累計は、主要交差点での追突事故が多く、右折車両と直進車両、左折・右折車両の人の巻き込み、停車車両がいるために車線変更する際の後方安全確認不足など、右折帯がないことによる事故が多いということでございました。 静岡県では、幅員狭小によります交通弊害を解消し、安全かつ円滑な交通を確保するとともに、将来予想される自動車交通量の増加に対処することを目的に、平成7年2月21日に、南二日町交差点から函南町間宮の蛇ケ橋まで、議員御指摘のとおり延長 4,530メートル、代表幅員27メートルとする都市計画決定をしまして、その計画に基づきまして、国道1号との交差点付近と梅名交差点の2カ所で、交差点改良事業を進めているところでございます。 その整備状況でございますけれども、国道1号交差点付近は、平成10年度に延長約 149メートルの事業区間に着手しておりまして、国が施行する国道1号改築工事と整合させ、平成16年度までに完成させる予定であります。梅名交差点は、平成9年度から交差点前後約 100メートル区間について事業に着手しておりますが、事業用地の確保が難しく、用地取得率は約75%と、平成14年度末と変わりない状況ではありますが、残る事業用地の確保に精力的に取り組んでいると県から聞いておるところであります。 国道 136号の今後の整備の進め方は、まず、梅名交差点を初め主要な交差点に右折帯を設置する交差点改良工事を行い、その後、各交差点をつなげる方法で整備を進めることになっております。いずれにいたしましても、交通混雑が解消するとともに、安全かつ円滑な交通が確保されるよう、早期整備を今後とも県へ要望していきたいと考えております。 次に、安久交差点ほか主要な交差点において、現状の中での右折帯設置の可能性について御質問がございました。現状の道路用地の中で右折レーンを設置するには、歩道をいじめることになります。道路管理者であります静岡県沼津土木事務所では、この路線は片側の2車線とも交通需要が高く、左車線に直進車両を集中することによる交通渋滞や、進行方向を変更するための車線変更車両による交通事故の今以上の増加などが予想されることから、適当ではないとの見解を伺っております。 いずれにいたしましても、交差点改良工事ができなければ右折レーンの設置は困難と考えておりますので、早期事業用地の確保など、事業促進を県へ要望してまいりたいと考えております。以上でございます。 ◎建設部長(加藤修君) 次に、萩土地区画整理事業の経緯と現在の進捗状況及び今後の予定についてでありますが、萩土地区画整理事業は、昭和62年に都市計画決定した東駿河湾環状線の用地にかかった方の代替地を確保するために、平成2年に、当時の萩地区の役員と話し合う中で出された事業であります。その後、平成4年5月に萩町内会から三島市に土地区画整理事業実施の要望書が提出されたことから、市はこれを受けまして、基本的な構想や基本計画を策定いたしました。 平成8年には、土地区画整理事業の実施に向けまして全地権者から仮同意をとったところ、約98%の同意が得られましたので、地権者の事業に対する熟度は極めて高いとこのときは判断しまして、平成9年5月2日に萩土地区画整理事業に伴う都市計画決定をするとともに、事業区域21.9ヘクタールのうち21.1ヘクタールを調整区域から市街化区域へと編入し、事業化を目指してまいりました。 しかし、その後の地価の下落や一部地権者の同意が得られないことなどから、組合の設立ができず、事業化のめどが立たなくなってきました。さらに、この間に都市計画法第53条、これは事業施行区域内における建築の許可をすることですが、この53条の規定に基づく建築行為やそれから宅地分譲が行われ、ますます事業の立ち上げが難しくなってきた状況にあります。 このような状況を懸念した県は、平成13年10月に三島市に対しまして、この事業を今後も推進していくのか、それとも断念するのかの判断を求めてきたところであります。このことから、今後の事業への意向を探るために、地権者全員を対象にアンケート調査を実施しました結果、事業を望む地権者が約7割ありまして、そのうちの約8割が5年以内の組合設立を望んでいるとの結果でありました。 また役員も、景気が上向けば区画整理を実施したいとの意向でありましたので、地権者や県と協議を重ねる中で、おおむね5年後に予定される次回の線引き見直しまでの間、新たな建築行為を抑制して、区画整理事業を立ち上げやすくするために、暫定的に市街化区域から調整区域に戻すとともに、建ぺい率と容積率を下げることにいたしたわけでございます。 建ぺい率と容積率については、既に今年の3月に都市計画の変更をしたところであります。また調整区域に戻す線引きの変更につきましては、今年の12月に都市計画決定できるよう現在手続を進めているところでございます。 いずれにいたしましても、早期に組合を設立し、事業の立ち上げができるような環境をつくるために、定期的に役員や地権者と話し合いを進めて、引き続きこの事業の推進に努めていきたいというふうに考えております。以上でございます。 ◆19番(鈴木勝彦君) まず最初に、 136号の関係からいきたいと思います。 国道 136号の工事も長引き、右折レーンの設置は難しいということは私も実は承知しているんです。南北を結ぶ主要幹線で、右折車両が多い時間帯もありますので、交差点が整備されるまでの間、暫定的に時間制限による右折車両専用レーンとする交通規制はできませんか。 といいますのは、確かに 136号の都市計画の概要を私も聞いているんです。それで、両方へ5.5 ずつ11メートル広げる。その中にセンターラインをつくって右折帯をつくる。それから歩道も若干整備する。そのかわり車線数は変わらない。今現在の車線数だと大型トラックやバスが並行して走る場合には非常に狭いから、車線の幅を広げる。本数は増やさないということも計画の中で私は聞いているんです。 いろいろな関係で皆さん方関係者に聞けば、既に計画決定はされておりますけれども、恐らく事業に着手するには20年か20年以上かかるんじゃないかという話も聞いているんです。これは三、四年か四、五年でできることでしたら、難しいということですから我々も何もそんなことは言わないです。ですけれども、まだそれだけかかるんじゃ我々も我慢できないものですから、何とか時間制限はできないか、いま一度お聞きします。 ◎建設部長(加藤修君) 時間制限による交通規制についてでありますが、時間帯により進行方向の交通量に極端な差がある箇所、例えば朝方の通勤時間帯に限り右折車両が増大するというように、顕著に交通量に差が出るような東京都や埼玉県では、朝晩の時間帯に限り、8車線道路で通常片側直進4車線を、時間制限で中央2車線を直進、それから右側車線を右折、それから左側車線を左折車両専用車線としまして、その時間帯における円滑な交通の確保を図っている交差点があると伺っております。 しかし、そのためには矢印信号機などの交通標識用設備の設置、それから維持管理に多額の費用を要するようでございます。国道 136号のように、時間帯に関係なく交通量が一日じゅう多い片側2車線道路で実施するのは難しいかなというふうな見解を県から伺っているところでございます。 いずれにいたしましても、先ほどもお答えしましたように、計画に基づいた交差点改良の早期の整備促進を県へ要望するとともに、改良工事が完成するまでは現状の中で、安全で円滑な交通の確保を図るにはどのような対応がとれるのか、検討していただくようお願いしていきたいと考えております。 この国道 136号は静岡県の管理する道路でありまして、三島市は要望、お願いをしていく立場であることを、あわせて御理解願います。以上です。 ◆19番(鈴木勝彦君) とにかく 136号は何が何でも県に強力な要望をしていただいて、何とか一日も早く、20年以上も待たれませんもので、ひとつ要望しておきたいと思いますし、また県の方へ強力な要望をしていただくことをお願い申し上げます。 ところで1カ月ほど前、8月24日と8月27日、市の職員が 202名出勤していただいて、朝の7時から夕方の7時まで、大通り商店街周辺の交通量の調査を実施したと思いますが、その中間発表は、まだ1カ月半ほどでございますので出ているか出ていないかわかりませんけれども、中間的に結果が出ていれば教えてほしい。 この調査は、私も6月のときに一般質問しましたけれども、従来のように業者に委託するのではなく、職員みずからが現状の交通渋滞状況を認識できたという点を、高く評価させていただきたいと思います。 ◎建設部長(加藤修君) 交通量調査の中間報告についてでありますが、この交通量調査は、7月24日の木曜日と27日の日曜日の2日間、中心市街地周辺道路の交差点19カ所において実施したものであります。その目的はといいますと、中心商店街周辺における一方通行化の可能性を探るためでありまして、コンピューターシミュレーション用データの収集に当たりましたが、多くの職員に中心市街地の交通実態を体感してもらうために、各部各課から市職員延べ 202人を動員して行ったものであります。 収集されたデータは現在集計分析中でありますが、午前7時から午後7時までの12時間における自動車交通量で申し上げますと、最も交通量の多い交差点は大社西交差点でございます。ここを行ったところです。あそこの交差点でございます。それが東西南北4方向で2万 4,057台の交通量がありました。次いで多いのは本町交差点の2万 2,540台、それから3番目は細野カメラ店前の交差点で、1万 7,506台となっております。 次に東西交通、南北交通で特徴的な部分でございますが、本町交差点では東西方向で1万57台、南北方向で1万 2,483台と、南北交通量が東西交通量の24%増しであったということでございます。大社西交差点ではこれがもっとひどくて、66%増しというふうになっておりました。南北交通量の多さと、これを担う東本町幸原線の路線の重要性がここで再認識させられたものとなりました。 このほか特徴的なものといたしましては、平日の方が日曜日よりもおおむね2 割程度交通量が多いこと、平日の方が多かったということです。また本町交差点とその北側の交差点では、午前7時から9時までの通勤時間帯の交通量が他の時間帯に比べまして際立って多くなっておりましたが、これ以外の交差点では、通勤時間帯とそれ以外の時間帯での際立った差異は認められなかったことなどであります。 今後、この交通量調査で収集したデータにつきましては、コンピューターシミュレーションでどのような一方通行化が望ましいのか、またどのような一方通行化なら実現の可能性があるのか検証し、一方通行を含む交通規制の素案を作成していきたいと考えております。以上です。 ◆19番(鈴木勝彦君) それではよろしくお願いいたします。 それでは、区画整理の問題に入っていきたいと思います。私がこの区画整理を質問することになりましたのは、実は昭和62年安久の区長を私がやっていたんです。そのときに安久、それから間宮の土地区画整理事業の役員の皆さん方が私のところへ来まして、いよいよ組合も設立する。それから事業認可も申請すると。それについていろいろ相談に乗ってくれたり、それから区長の判こをくれないかということで、ずっとやってきたわけです。それでたまたま安久はうまくいったと。それにはいろいろな要因があると思います。 まず最初に、あそこは線引きされたのは昭和47年5月8日です。そのとき既に、あそこは線引きの中へ入れておかなくて市街化区域になっていたんです。その辺の要因もあるということと、それからちょうど保留地が非常に処分が早かった。2回の抽せん会をやって、安久はお祭りのように大勢人が来まして、遠いところは富士市の方から、焼津市の方から来た方もあるんです。結局みんな抽せんになってやったわけですけれども、そんな観点からいきますと、私があちこちへ行きますと、区画整理はどうなっているだと、萩の問題ですね。安久の方はうまくいったのに、どうしてこっちの萩の方はうまくやってくれないんだということをあちこちで聞くんです。ですから実はこの問題について聞いてみようということでございますので、誤解のないようにひとつよろしくお願いいたします。(発言する者あり)、安久のことばかり出しますので。 まず最初に質問いたします。三島市において、これまでに何地域の土地区画整理事業が施行されたのか。また、一番最近の土地区画整理事業はどの地域で施行されたのでしょうか。これは多分安久だと思いますけれども、ひとつ答弁をお願いします。 ◎建設部長(加藤修君) 御質問にお答えします。 三島市ではこれまでに12地区、約92.1ヘクタールを土地区画整理事業で整備しております。主なものとして、戦前に施行されました三島駅南口周辺地区、それから戦前から昭和30年代にかけて施行されました菰池周辺地区を初めとしまして、加茂地区、城山地区、初音台などが昭和40年代から50年代にかけて施行され、最新で施行したところは、議員もおっしゃるとおり安久・間宮土地区画整理事業であります。以上です。 ◆19番(鈴木勝彦君) 安久と間宮の地域は、この整理事業が速やかに進捗してきているわけでございますけれども、同じ整備の手法にもかかわらず、なぜ萩地域については事業が進んでいかないのか。全く安久と萩地域と手法は同じだと思うんです。その辺ひとつお答えください。 ◎建設部長(加藤修君) 御質問にお答えします。 土地区画整理事業は、事業費の大部分を、保留地という売却用に確保した土地を処分することにより賄います。このため、地価の動向が事業の成立に大きく影響してくるわけでございます。かつては土地神話のとおり、土地価格は右肩上がりで上がり続けていると考えられておりましたが、安久・間宮土地区画整理事業は、ちょうどこの時期に施行されたわけでございます。その後、1年後から下がり始めたというふうに記憶ではあります。そういう中で、実際に土地を売却する保留地処分の時期が平成元年度から平成3年度にかけてであり、土地価格がピークの時期でありましたので、保留地売却の観点からは事業を施行しやすい時期であったかと言えます。 これに対しまして萩土地区画整理事業は、この時期に区画整理事業が施行できないかとの検討が始まり、具体的な計画の作成が始められたころには、地価が下落する傾向が見受けられるようになりましたが、当時の考え方としては、下落は一時的なものだというふうに考えられていたわけです。その中で、すぐに土地の価格は上がるのではないかとの考え方が一般的でありました。 参考までに、隣接する住宅地である芙蓉台地区の地価公示価格について、事業計画等の作成時期である平成8年度と本年度とを比較しますと、約2割程度下落しております。このことは単純に、保留地処分金が2割減るという計算になるわけでございます。言いかえれば、地権者の方々が土地区画整理事業施行前に所有していた土地に応じて施行後に取得する土地を換地と言いますが、この換地を減らし保留地を増やすということにより、地価下落分を穴埋めすることになります。地権者の方々の負担が増加するために事業化が困難となるわけであります。このようなことは全国的な傾向でありまして、土地区画整理事業全般を取り巻く諸問題の1つと、現在多くの区画整理をやっているところで課題として挙げられております。 また、実施する地域の地形も事業費に大きな影響を与えます。安久・間宮地区は萩地区と比較して平たん地で、造成費等が安く済んだわけでありますが、萩については、その辺の造成費がかなりかかってくるではないかというふうに考えます。安久の方はそういう意味では、減歩等地権者の負担も少なく、地権者の賛同を得やすい環境があったということです。平たん部であったもので地権者の同意が得られやすかったということでございます。以上でございます。 ◆19番(鈴木勝彦君) 萩の区画整理事業でございますけれども、都市決定が決まってから非常に多くの時間が経過しております。いまだに事業化されておりません。このことにかんがみますと、この都市計画の決定が早過ぎたんじゃないか、言うならば見切り発車じゃないかなと私は思っているんですが、御回答ください。 ◎建設部長(加藤修君) 御質問にお答えします。 先ほども申し上げましたように、萩土地区画整理事業は、東駿河湾環状線の用地にかかった方の代替地を確保するという目的があったため、環状線の事業進捗に合わせてやる必要がありました。そういう意味では、議員が御指摘のように、早過ぎたのではないかという見方もあるかもしれません。しかし、都市計画決定等行うに当たっては、当然ながら事業化に向けた熟度を見きわめる必要がございます。そこで、平成9年5月に都市計画決定をするに際しては、全地権者のうち約98%の方から事業に対する仮同意をいただきましたので、事業着手が可能と判断したわけであります。 本格的に事業に着手するためには、都市計画決定の後、県知事から土地区画整理組合の設立認可を受ける必要がありますが、これに必要な同意率は全地権者の3分の2以上です。約67%ですが、このように法律で定められております。したがいまして、全地権者の98%が仮同意を提出していたということの中で、萩土地区画整理事業は速やかに組合設立が認可されるのではとの推測ができましたので、地元の機運が最高潮であったと思われる当時としては、最善の判断であったかというふうに考えております。以上でございます。 ◆19番(鈴木勝彦君) そうすると、決定が早過ぎたかどうかわかりませんけれども、当局の方とすれば、それは最善の方法だったということですね。 では、事業の見通しが立たないからといって、暫定逆線引きにより市街化調整区域に変更してしまうのは、どういう理由で変更するのでしょうか。逆線引きするんですか。 ◎建設部長(加藤修君) 先ほども申し上げましたように、事業区域内に建築行為や分譲が行われるということで、物件移転補償費が現状のままではかさんでいくわけです。そういう中で、かさむということは当然のことながら事業費も膨らんでいくということになりますので、減歩率に影響を与えますので、これ以上の減歩率の上昇を抑えるために、またこの事業を推進しやすくするために行う暫定的な措置であります。 したがいまして、今後、地権者の合意形成が得られ、区画整理を行っていこうということになれば、再び市街化区域に編入することになります。以上です。 ◆19番(鈴木勝彦君) そうしますと、線引きをされたのは昭和47年と。それで聞いたところによりますと、12月ごろにこの見直しをしたいということになりますと、5年に1回の見直しですね。いろいろ見直しをしていただけるのは結構ですけれども、12月に向けて今その準備をしていると思います。いずれにしても、その結果を聞きたいと思います。 次に、萩土地区画整理事業のように、市街化区域であった地域を暫定的に市街化調整区域にした地域は、三島市はないと思います。たまたまこの区画整理事業は、線引きに入っているところは萩だけだと私は聞いているんですが、三島市以外にこのような手法をとった、逆線引きをしたところはあるんですか。 ◎建設部長(加藤修君) 御質問にお答えします。 県内におきましては、静岡市、浜松市、それから浜北市に各1地区ずつ、それから焼津市では2地区において、暫定的に市街化区域から市街化調整区域に変更しております。これらの地区においては、萩地区と同様に、土地区画整理事業を施行することを前提に市街化区域としたわけでございますが、長期にわたり区画整理の事業化が見込めないことから、暫定的に市街化調整区域に変更する措置がとられたということでございます。 ◆19番(鈴木勝彦君) そうしますと、この事業進んでいけばまたそれは軌道に乗る、こういうことでよろしいわけですね。 次に、萩の土地区画整理事業を施行するために、一部区域を市街化区域に変更したとのことでありますが、このことによりまして、元来建物を建築することのできない土地にアパート等を建築した方もおります。事業に協力している方の立場から見ると、このことは違法性じゃないかと私自身は感じられるんですが、いかがでしょうか。 ◎建設部長(加藤修君) 御質問にお答えします。 土地区画整理事業の施行に当たり、国庫補助を受けるには市街化区域である必要があります。このため萩土地区画整理事業においても、土地区画整理事業の都市計画決定に合わせて、市街化調整区域の部分を市街化区域に変更しました。調整区域の部分を市街化区域に変更したということです。土地区画整理事業を実施することを前提に市街化区域に変更しましたが、区画整理の計画に支障となるような建物の建築であっても、一定の要件、例えば階数が2階建てとか地下を有しないとかそういう一定の条件があるんですが、それらを満たしていれば建築することが法的に可能となるため、これまで建築された建築物はこの条件を満たしておりますので、法的には違法ではありません。 しかし、先ほども言いましたけれども、実質的には移転補償費の増加等につながるわけでございますので、事業の推進を困難にしてしまうために、建築の話があった際には、事前に役員や市職員で地権者宅へ伺って、事業に対する理解をしてもらうための説得をしてまいりました。また、どうしても事情があって建築したいという場合には、今後予定されている区画整理事業へ協力する旨を文書で提出していただきたいと思っております。以上でございます。 ◆19番(鈴木勝彦君) そうすると既に建てちゃった人は、我々から言わせればやり得かなと、そういうふうに思われても仕方ないと感じております。 次の質問に移ります。 市街化区域であった当時に、建築を行うための目的で土地を取得した。暫定的に市街化調整区域になると、都市計画決定までに建築を着手できなかった方は市街化調整区域となった後、建物を建築することは可能でしょうか。その中に区画整理区域内の土地の購入者が建築行為を行う場合、逆線引き後、どのような建築が可能か。これが1つ。 2つ目に、逆線引き後、区画整理区域内の土地を転売、要するに名義変更した場合は、購入者は建築が可能かどうか。 3つ目に、逆線引き後に6カ月以内に申請したが、内容の変更をした場合、向こう5年間の猶予があるということでございますけれども、計画の内容を変更した場合どうなるでしょうか。例えば土地を買っても、半年の間に計画書出せばいいと。そこから5年間は猶予期間があると。ところが、経済情勢だとか家庭状況によっては、恐らく計画どおりいかない場合もあると思うんです。その場合どうするか、御回答ください。 ◎建設部長(加藤修君) 御質問は3点ほどあります。 まず、区画整理区域内の土地の購入者が建築行為を行う場合、逆線引き後、どのような建築が可能かについてでありますが、暫定逆線引き後は市街化調整区域となりますので、原則として建物の建築を行うことのできない区域となります。しかし、逆線引きの都市計画決定以前から区域内に土地を所有していた方に対しましては、経過的な措置として、都市計画決定後、自己が居住するための建物などに限定されますが、6カ月以内に一定の申請をすることにより、5年間以内であれば建物の建築を認める措置がございます。 次に、逆線引き後、区画整理区域内の土地を転売した場合、購入者は建築が可能かについてでありますが、建物の建築が可能か否かは個々の事情により異なりますので、一般論を述べるのは大変に難しいということを、まず初めに御理解願いたいと思います。都市計画法第34条第9号の経過措置につきましては、対象となるのはあくまでも市街化調整区域に変更する都市計画決定時の所有者でありまして、その後、売買などにより土地を所有することとなった方は対象とはなりません。 また、この規定に基づきまして、届け出のされていない土地が売買された場合、購入者は、前所有者が届け出をしていたとしても既存権利の行使はできず、建物を建築することはできません。ただし、相続により所有権を得ることとなった方は、既存の権利の行使が可能であります。 次に、線引き後6カ月以内に申請をしたが、計画の内容変更をしたい場合にはどうなるかについてでありますが、届け出の内容は土地の所在、それから地番、地目、地積と、届け出をする方が逆線引きの都市計画決定される際、その土地を所有していた目的などであり、予定建築物の計画までは届け出事項となっていないため、計画の変更は可能ではないかと考えております。以上でございます。 ◆19番(鈴木勝彦君) そうしますと部長、結局、転売しても買う人はいないということですね。そういう結果になると思います。今度これは買い損ですね。 次に行きます。この事業を推進するに当たり、これまで恐らく相当の経費を投入してきたと思うんです。この投入してきた経費を今後むだにならないようにするためには、どのように考えておりますか。 ◎建設部長(加藤修君) 御質問にお答えします。 この事業を都市計画決定するに際しましては、平成4年度から基本構想や基本計画あるいは測量、都市計画決定の図書作成など、事業を進めていくために必要な事項を専門業者へ委託してきました。したがって、これらの調査等に要した費用は、当然ながら萩土地区画整理事業を実施することを前提としておりますので、むだにしないためにも今回、今後の建築行為を抑える措置を実施し、事業を立ち上げやすくすることにした次第であります。また、地権者の方々の意欲も大切でありますので、今後とも話し合いや勉強会を開催する中で、早期の事業化を目指していきたいというふうに考えております。 ◆19番(鈴木勝彦君) この問題は難しくて、もとのさやへおさめることはなかなか厳しいと思うんです。ですけれども、何とか今までかかっている多大な経費をむだにしないように、これから頑張っていただくことをお願いしたいと思います。 最後になりますが、今現在景気が低迷しております。現状では行政の対応も大変だと思われますが、今まで多少なりとも経費を投入してきております。ぜひ成果が上がるように頑張っていただきたいと思います。 最後になりますが、今後、他の地域で土地区画整理事業を行いたいという要望があった場合に、行政はどのように指導しながら対応していくのか。答弁があるようでしたらお願いして、私の質問を終わります。 ◎建設部長(加藤修君) 御質問にお答えします。 地価の下落が続く昨今、土地区画整理事業を実施することは大変困難なことでありますが、萩地区のような新市街地の整備のほかにも、既成市街地の再整備も可能とする効果的な事業手法でありますので、必要以上に消極的になる必要はないと思います。例えば駅前とかそういうところですね。そういうのもあります。 多くの地権者の方々から区画整理を実施してほしいとの要望がある地区が出てくれば、市としましてもこれに協力することとなりますが、土地区画整理事業は一定の区域を定め、集中的に整備が行われますので、区域内の関係権利者に多大な影響を与える事業であります。このため、この事業手法を採用する際には、最低限、関係権利者の十分な理解を得た上で事業化が必要かなというふうに考えております。以上です。 ○議長(志賀健治君) 以上で19番 鈴木勝彦君の発言を打ち切ります。 これで通告者による一般質問はすべて終了いたしました。 一般質問を打ち切ります。 以上で本日の議事日程はすべて終了いたしました。 お諮りいたします。議事の都合により、明26日から29日までの4日間は本会議を休会したいと思いますが、これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(志賀健治君) 御異議なしと認めます。よって、明26日から29日までの4日間は本会議を休会することに決定いたしました。 なお、来る9月30日午後1時から本会議を開きますので、あらかじめ御了承願います。 本日はこれにて散会いたします。              午後5時37分散会  地方自治法第 123条第2項の規定によりここに署名する     平成15年9月25日          議長         志賀健治          会議録署名議員    馬場妙子          会議録署名議員    仁杉秀夫...